終わりなき不在 の商品レビュー
この人、なんか好きなんよ。 なにがいいのか説明できないけど、軽いんか、重いんかわからん文章も心地いいし。 感情移入は全くできないし、ストーリーらしきものもないのにねぇ。なんで面白いんやろか。
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これが著者のデビュー作らしい。 それにしても著者の作品に出てくる女性は、なぜか皆大変に魅力的だ。そして彼女達の言動が自分に向けられているように感じてしまうのだ。それがとても心地よい。罵声であっても。 自分と他の人との関係は事実と誤解だけがある。人の本当の気持ちなどわかるわけがない...
これが著者のデビュー作らしい。 それにしても著者の作品に出てくる女性は、なぜか皆大変に魅力的だ。そして彼女達の言動が自分に向けられているように感じてしまうのだ。それがとても心地よい。罵声であっても。 自分と他の人との関係は事実と誤解だけがある。人の本当の気持ちなどわかるわけがない。 それでよいのであろう。 勝者であろうと敗者であろうと、正しく生きた人間の営みだけが、土の中でも馥郁と香り、爛漫と咲き誇る、のである。
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佐川恭一さん初めて読んだけどとてもよかったし、好きすぎました。これがデビュー作なんて凄い。 ユーモラスな語調でコメディ的な感じかと思いきや作中作の「仕舞」からの畳み掛けがとんでもなかった。どんな偉業を成し遂げても最後は全て墓石の下。生きることへの虚無感、それでも自らを騙し騙し生き...
佐川恭一さん初めて読んだけどとてもよかったし、好きすぎました。これがデビュー作なんて凄い。 ユーモラスな語調でコメディ的な感じかと思いきや作中作の「仕舞」からの畳み掛けがとんでもなかった。どんな偉業を成し遂げても最後は全て墓石の下。生きることへの虚無感、それでも自らを騙し騙し生き延びること。人生の哲学が詰まった一冊。これを言語化してくれてありがとう。救われました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
⚫︎受け取ったメッセージ 幸せとは? ⚫︎あらすじ(本概要より転載) デビュー作にしてこの完成度! もはや入手不可能とされていた幻の作品を待望の文庫化。 「何者かになりたい」もがく青年の焦燥と絶望を強烈な冗長さで描く幻のデビュー作。 どこまでもくだらない設定と呆れるほどバカバカしい登場人物たちの行動は、やがて現代人の抱える人間関係と心理を深くえぐり出していく。 大江健三郎を継ぐ天才がここにいる。今、必読の一冊。 就職した銀行を一年で辞め、仕事も恋人も失った自堕落な青年は小説家を目指す。その果てに何が待っているかも知らずに……。「文章を書くためだけに脳をカスタマイズされ他の能力を全てスポイルされた俺という怪物の書く小説が、なぜ他者の作品に劣るのか?」 迷走する自意識、崩壊するモラトリアム。これは悲劇か? それとも喜劇なのか? 泣いた方がいいのか? 笑っていいのか? 渦巻くような自意識の階層構造に、やがて読者の意識も翻弄されていく……。 いま文芸界で熱い注目を集めている才能の一人、大人気カルト作家・佐川恭一の原点がここにある。 第3回日本文学館出版大賞ノベル部門大賞受賞作。 ⚫︎感想 主人公が小説家以前と以降で別人みたいな変化を遂げる。生きることも死ぬことも不器用だった。視点が変わり、それぞれの登場人物の想いが交錯する。 ポップな書き出しから始まるが、ラストは衝撃。
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上村麻衣子も宮田章吾も、吉川雅樹も人として別に面白くなく、それは上原くんひいては志賀谷庸太もまた面白くないということなんだが、ニアイコールの関係である上原くんと志賀谷庸太には決定的とされるべき差というのがあり、つまり志賀谷庸太は"鈴木亜佐美"という人間を生み...
上村麻衣子も宮田章吾も、吉川雅樹も人として別に面白くなく、それは上原くんひいては志賀谷庸太もまた面白くないということなんだが、ニアイコールの関係である上原くんと志賀谷庸太には決定的とされるべき差というのがあり、つまり志賀谷庸太は"鈴木亜佐美"という人間を生み出したそれだけで大偉業を成し遂げている。それでいて志賀谷庸太は仕舞のラストで鈴木亜佐美のキャラクターを小説のために利用していると私は感じる。そのことを私は許さないから、文字通り大いなる功罪を抱えた男が彼自身のねじくれていても乏しい魅力とは関係なく、むしろ、逆に、それゆえに、歴然と存在していたことの証明であるように思う。 たわいないと言われようとも、私は私の心臓がハートマークに変型するのを肯定する。私は、私の心のずっと奥の方が叫ぶ声に対して無視を決め込むことができない。 「花瓶に水をあげましょう。 鈴木亜佐美!鈴木亜佐美!鈴木亜佐美!」 ──正味なところもういっちょ鈴木亜佐美!!鈴木亜佐美!!鈴木亜佐美!!鈴木亜佐美!!鈴木亜佐美!!鈴木亜佐美!!って感じである。私は読書の時間の中でガチ恋の輪郭をなぞる。
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なんだか寂しくて、荒涼としていて、今の気分にぴったりな気がする。 「いい作品が書けるかどうかは努力の量では決まらん。生まれた瞬間に決まっている種類のことや」 「この世界にはミもフタもない」
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なんでこんなに読みやすく、読み応えがあるのだろうか。作者の原点であるデビュー作であるが、改めて読めて良かった。 お得意の脱線につぐ脱線の末、辿り着く最終到着点までの長い寄り道が、相変わらず心地良い。ふざけているのか真剣なのか全くわからない佐川恭一という男が紡ぎ出す物語?いや人生哲...
なんでこんなに読みやすく、読み応えがあるのだろうか。作者の原点であるデビュー作であるが、改めて読めて良かった。 お得意の脱線につぐ脱線の末、辿り着く最終到着点までの長い寄り道が、相変わらず心地良い。ふざけているのか真剣なのか全くわからない佐川恭一という男が紡ぎ出す物語?いや人生哲学書をこれからも追いかけていきたい。
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