去年の雪 の商品レビュー
なんだっけ?誰だっけ?って考えたらダメだと思った。ゆるやかに江國さんの言葉にただよっていられる。江國さんの美しい言葉のつながりを存分に楽しめる
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100人以上の登場人物が時空や生命や動物の種類も超えて、視点がコロコロと変わる。それぞれが交わったり、交わらなかったり…雪のように人の人生がヒラヒラと現れては消えてゆく。 物語冒頭に「だけど、去年の雪はどこに行ったんだ?」という詩の引用がある。 まさしくこの言葉のように、誰かの人生が次々と移り変わる中で、ふと、あの人どうなったのかな、と思い出す。 キムナムジュンの「everything goes」という曲を思い出した。 辛さも命も全て過ぎ去るものだ、という歌詞で 字面は何だか寂しく投げやりだが、 この歌詞に救われた時期があった。 過ぎてゆくから諦められるし、諦めてみたら案外そこまで重大な事でもないし、過ぎた先に何が残るか、もしくは残らないかまで思いを馳せることが出来る。 前向きではないが、「過ぎ去る」という言葉通り、後ろ向きでもない。 今を忠実に生きる。 そんなことを思い出した。 読了後の感想は100人のエッセイを読んだかのような疲れがあり、江國さんのかなり実験的な作品だったのでは無いかと思う。 それでもこれは、内容よりもそれぞれフルネームがある100人もの人が登場しては消えていく構造そのものにテーマを置いている作品だと思う。 決して他人に勧められる作品では無いし、もう一度読みたいとは思わないが、江國香織の作品は似た雰囲気だな…と思っていた江國ファンなりかけの私にとってはいい意味で裏切りをくれた作品だ。 江戸時代?くらいまで遡った話も出てきたが、個人的には遠慮したい。その時代独自の難しい漢字が並び、江國香織の柔らかい文体と相性悪く感じた。 互いに腹に抱えた思いを持って、喧嘩ばかりする夫婦や、自分が幸せか分からないまま現実から目をそらす専業主婦、初めて娘を持った母…やはり江國香織らしい登場人物の方が魅力的に読めた。 新しい発見としては、幽霊目線だ。霊感のない私にとってはこんな風な感覚なのかと錯覚するほど斬新な表現だった。 幽霊は自分のことを「出現する」というのだ、面白い。
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わたしたちのさまざまな営みを映した物語。 ぷつり、ぷつり、とお話は途切れるけれど、ひろーく、ひろーく、世界は(時空は)繋がっている。 凪良ゆうさんの解説もぴったりでした。
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現代のみならず、平安時代(?)と思える時代の人たちも含め、そこここにいそうな人々の日常を切り取って描いた話。それぞれのエピソードは、2ページ弱くらい。 どんどん場面が変わり、初めはどこかで関係性が明かされるのかと思いつつ読み進めたが、時々関連しそうなエピソードもあるものの、多く...
現代のみならず、平安時代(?)と思える時代の人たちも含め、そこここにいそうな人々の日常を切り取って描いた話。それぞれのエピソードは、2ページ弱くらい。 どんどん場面が変わり、初めはどこかで関係性が明かされるのかと思いつつ読み進めたが、時々関連しそうなエピソードもあるものの、多くは回収されないまま語られていて、なんだか落ち着かないまま読了。 元来、江國香織さんの不思議な世界観が好きだったが、残念ながら、この作品はよさがわからなかった。
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今まで読んだことのないタイプの作品。 連続性が無いかと思えば全くないわけではない。 何人もの登場人物の人生のひとときをつかの間覗かせてもらう瞬間の繰り返し。
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さまざまな色のインクを落として重ねて、意味のない集まりのようにみえて、遠くから見ると形造られているアートのような作品。 江國香織さんの独特の湿度を含んだ流れるような文体が活きておりファンには堪らない物語。いつまでも読んでみたい。どこから読んでも面白い。一方、ストーリーとして深掘り...
さまざまな色のインクを落として重ねて、意味のない集まりのようにみえて、遠くから見ると形造られているアートのような作品。 江國香織さんの独特の湿度を含んだ流れるような文体が活きておりファンには堪らない物語。いつまでも読んでみたい。どこから読んでも面白い。一方、ストーリーとして深掘りがないため、江國さんに馴染みのない方には物足りなさを感じてしまうかも、、。
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さまざまな時代に生きた100人以上の人物の日常が、少しずつすれ違って行くストーリー。 1~2ページで一つの話が終わり、次の人物へ移っていくため、その後がどうなったか気になりながら読み進めることになる。 次第に人物が交わり始めるが、いつの誰だったか思い出すのが大変。しかも、目まぐる...
さまざまな時代に生きた100人以上の人物の日常が、少しずつすれ違って行くストーリー。 1~2ページで一つの話が終わり、次の人物へ移っていくため、その後がどうなったか気になりながら読み進めることになる。 次第に人物が交わり始めるが、いつの誰だったか思い出すのが大変。しかも、目まぐるしくどんどん視点が変わる。 私は数日おきに数ページずつ、細切れに読んだので、記憶がつながらずに訳がわからなくなった。読み進めるのが大変になり、途中で挫折。 雰囲気は良かったけど、読了できなくて残念。 一気に読まないと置いてけぼりになる作品だと思いました。
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こぞのゆき、と読むことに読み終えてから知りました。 断片的な日常、非日常の連続。 誰か考察してないかな、とぐぐったら、 こちらにヒットしました。 https://akiya-takashi.hatenablog.com/entry/2023/12/10/195803 ↑30話までを読みました。 あのひとの息子が…と思ったりしてるけどどうかな? 同級生に借金という名の恐喝してるjkが どこかで痛い目あってないかな、とか思ってたりします。
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失恋後21作目 登場人物が多過ぎる!それぞれの登場が短いので、なんだか読み足りない気がするものの、人数が、多いので脳内処理が難しい。 ふとしたセリフがなかなか江國香織ぽいな、と思ってしまった。 珍しく読むのに時間がかかった。
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永遠に終わらないでと願う愛おしすぎる物語たち。 100人を越える人々の日常生活が次々と、あらゆる時代、あらゆる場所、この世もあの世も、どこかでつながったりしながら紡がれるそれぞれの世界。 江國香織さんにしか描けない世界観。 本当に大好き。 きっと平凡な私の人生も、江國さんだっ...
永遠に終わらないでと願う愛おしすぎる物語たち。 100人を越える人々の日常生活が次々と、あらゆる時代、あらゆる場所、この世もあの世も、どこかでつながったりしながら紡がれるそれぞれの世界。 江國香織さんにしか描けない世界観。 本当に大好き。 きっと平凡な私の人生も、江國さんだったら、素敵な物語になるのだろうな。
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