珈琲と煙草 の商品レビュー
一行目:夏になると、少年は毎日、屋敷の下の池で過ごした。 好みだけでいえば、初期の短編が推しなのだが、何故か本作も強烈な印象を残す。 一編を「観察記録」とした響きが、まさにと思わせる。 年齢も重ねて、経験という装備を身にまとっているはずなのに、本書を読むとそれらがすべてが外れ...
一行目:夏になると、少年は毎日、屋敷の下の池で過ごした。 好みだけでいえば、初期の短編が推しなのだが、何故か本作も強烈な印象を残す。 一編を「観察記録」とした響きが、まさにと思わせる。 年齢も重ねて、経験という装備を身にまとっているはずなのに、本書を読むとそれらがすべてが外れて、何の防御力をもたなかった昔の自分をさらけ出す羽目になったような、落ち着かない気分にさせられる。 今回いちばん刺さったのが14で、「故郷というのは場所じゃない。記憶さ」というフレーズが印象的。 私の故郷はどこになるのか。 認知症の祖母が、想像もつかない土地の名前を口にしていたように、私も深層心理ではどこが原風景と思っているのだろう、とふと考えた。
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エッセイのような、小説のような。14がお気に入り。タイトルのとおり、しばしば効果的な小物として煙草が登場する。ようやく他の作品に手を出す勇気が出たよ。
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シーラッハ「珈琲と煙草」tsogen.co.jp/sp/isbn/978448… あー海外作家で今たぶん一番好き。短編とも言い難い断片的な約50の作品集で、たとえば4行だけの作品もあり、全体に犯罪と死と孤独が漂ってる。話はどれも陰鬱で思索的なのに描写が瑞々しくて映像的で、そのギャ...
シーラッハ「珈琲と煙草」tsogen.co.jp/sp/isbn/978448… あー海外作家で今たぶん一番好き。短編とも言い難い断片的な約50の作品集で、たとえば4行だけの作品もあり、全体に犯罪と死と孤独が漂ってる。話はどれも陰鬱で思索的なのに描写が瑞々しくて映像的で、そのギャップがシーラッハだよなー好きだなー
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著者は、刑事事件の弁護士であり作家でもあるドイツ人。自身の記憶や家族のことなどと、小説のようなエッセイが48編。戦争が始まる直前のウクライナでの話もあった。
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正確には[10]で挫折。 雑文の寄せ集めじゃなくて、ちゃんとした物語を読みたい。 でも、ティルダ・スウィントンは好きな女優さんだから、映画《胸騒ぎのシチリア》は観たい。 あと、ヨアヒム・リンゲルナッツの詩集も読む。
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