それでも習近平政権が崩壊しない4つの理由 の商品レビュー

富坂聰(著者)

2023/08/05

　日本で見られる中国の先行きは、独裁国家でいずれ政治も経済も行き詰まり崩壊するという見方であり、見通しというより願望も含まれているように思われる。
　西側世界では、周政権は独裁など陰の側面ばかりが取り上げがちであるが、あまり取り上げられないこととして、誰もが手を付けられなかった腐敗撲滅や軍改革等の光の側面を知ることが出来た。
　台湾侵攻やウクライナ侵攻に対しても、中国の立場に立った中国の価値観で描かれており、日本で一般に思われているものと違った。
　著者はかなり習近平政権寄りにも感じるが、現に中国が崩壊しないで発展している以上、本書の内容には真実味があり、好き嫌いとは別に中国の状況を客観的に俯瞰して見るのに非常に役立った。