就活の社会学 の商品レビュー
序章 就活を考える 第1章 ライフコースの個人化と移行、労働市場の変容 第2章 キャリア教育が想定する労働市場と現実 第3章 一九九〇年代から二〇〇〇年代にかけての就職―採用活動の変化 第4章 仮定法を求められる大学生 第5章 「やりたいこと」就活の陥穽 第6章 就職活動プロセス...
序章 就活を考える 第1章 ライフコースの個人化と移行、労働市場の変容 第2章 キャリア教育が想定する労働市場と現実 第3章 一九九〇年代から二〇〇〇年代にかけての就職―採用活動の変化 第4章 仮定法を求められる大学生 第5章 「やりたいこと」就活の陥穽 第6章 就職活動プロセスにおける女子大学生のライフコース展望 第7章 私立中堅γ大学の就職活動プロセス 終章 自由応募の就職活動のゆくえ
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1990年代以降に普及した、一般的に「就活/シューカツ」と呼ばれる自由応募の就職―採用活動において、なぜ大学生が「やりたいこと」や熱意を問われ、語るようになっていくのかを、就職活動プロセスにおける大学生への聞き取り調査等により、明らかにすることを目的とする社会学の研究書。 本書の...
1990年代以降に普及した、一般的に「就活/シューカツ」と呼ばれる自由応募の就職―採用活動において、なぜ大学生が「やりたいこと」や熱意を問われ、語るようになっていくのかを、就職活動プロセスにおける大学生への聞き取り調査等により、明らかにすることを目的とする社会学の研究書。 本書の結論は正直ちょっとわかりにくいと感じたが、現在の就活を形作る上での労働市場媒介者たる就職情報サービスの影響の大きさ、大学生が就活のプロセスを通じて自発的に日本型ライフコースを参照した物語を積極的に語るようになる状況など、現在の就活の背景にある構造と仕組みについて理解が深まった。著者のインタビュー調査において、就活の段階ごとに大学生の語りが変化していく様子が興味深かった。また、女子大学生やマージナル大学における就活について深掘りした章も興味深く読んだ。 一方、社会学の研究はみんなこんなものなのかもしれないが、インタビュー調査の対象者が全て機縁法、すなわち知り合いのツテで選ばれていて、サンプル数もそんなに多くなく、著者も申し開きをしていたが、就活をする大学生を代表できているのか、また、そこでの話を一般化できるのか疑わしく感じた。また、第2章のフィールドワークの説明のところで、調査対象者の名前が本名なのか仮名なのかが明記されておらず、いかがなものかと思った。特に、P38でキーパーソンの「柴田先生」というのが突然出てきたのには「誰?」と思ったし、調査対象者にこの人だけ「先生」をつけるのもあまり適切ではないのではないかと感じた。
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