おのれ人間ども(1) の商品レビュー
八十八良の「おのれ人間ども」。 八十八さんの漫画なのにのっぺらぼうじゃない、と思ったのはペルソナ4コマから入った読者だからです。ペルソナの方はキャラクターが自分の絵柄になってしまうから、のっぺらぼうにしたんでしょうね。 遠野の大妖怪青ムジナと人間のり子の夫婦の、娘キナコちゃんの...
八十八良の「おのれ人間ども」。 八十八さんの漫画なのにのっぺらぼうじゃない、と思ったのはペルソナ4コマから入った読者だからです。ペルソナの方はキャラクターが自分の絵柄になってしまうから、のっぺらぼうにしたんでしょうね。 遠野の大妖怪青ムジナと人間のり子の夫婦の、娘キナコちゃんの子育てコメディ。 子育てに奮闘する大妖怪の日常あれこれと、大妖怪ゆえのあちら側の騒動が絡んできます。まあ、ドタバタコメディではある。 登場人物が独特の価値観を持つ方々で、正直なところ一歩間違えたら社会不適合な面も感じさせるのですが、そのぎりぎりな危険性を隠しながら、平凡な日常のために奮闘しているのが魅力かなぁ。 一番、ヤバさを感じさせるのはのり子さんの両親ですけどね。というか、父親か。 孫を可愛がりたいあまりに、娘の離婚を願うというのは、だいぶいっちゃってると思います。愛情を向けている相手に対しては、100%以上のものを注いて余ります、ぐらいの熱量があるので、その怖さがうまく隠れているだけですが。 なんで後輩くんは、そこに気づかず丸め込まれてしまったのか。そういう純朴な育ちだから父親の眼鏡に敵わなかったわけです。 子育てあるあるも散りばめられているのですが、独身なのでイマイチピンとこない。甥っ子姪っ子は近くに住んでいるので、子供の成長の速さには楽しく嬉しく子憎たらしく思います。まあ、両親や祖父母よりも伯父の立場は一番気楽だと思うので、身近な年上友達みたいな感覚で接していきたいな、と思ってはいますがね。 勉強はともかく、生きてゆく上で大事なものはあのおっさんに教えてもらったよなぁ。みたいな先生っているじゃないですか。そういう存在になれたらいいな、と思いますが、それには自分の人生経験が足りないのがなんともかんとも。
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