不死身のつもりの流れ星 の商品レビュー
あとがきを読んで、私が詩にたどり着いた意味が分かったような気がしました。 詩があってくれて良かった。 詩にしか表せない「さみしさ」のことをこの先もずっと愛しています。
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自意識が「きみ」という存在によって対照化されざるを得ない…。 どの詩も「あなた」や「きみ」と言った二人称への語りかけなのだけど、本当に語っているのは他者との触れ合いに痛みを感じる「ぼく」や「わたし」自身の寂しさだと思う。 相手を愛して、でもその愛しているという気持ちが、「愛して...
自意識が「きみ」という存在によって対照化されざるを得ない…。 どの詩も「あなた」や「きみ」と言った二人称への語りかけなのだけど、本当に語っているのは他者との触れ合いに痛みを感じる「ぼく」や「わたし」自身の寂しさだと思う。 相手を愛して、でもその愛しているという気持ちが、「愛している」という言葉に届いていない感じなのか、どの詩にも言葉の意味に自分の感情を乗せきれないような焦ったさを描いているように思えた。 わたしには無くなってしまった感性…。 他者を相対化することがなくなり、自分自身の内面に迫ることがなくなってしまった。 10代、20代のときの痛ましいまでに自意識が剥き出しだった頃の自分に出会えたような気分になった。
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『さっきまでは薔薇だったぼく』を前回拝読して、最果タヒさんの詩はもうわからなくなってきたら読まなくていいかなと思ったのですが、最高傑作という賛辞をどこかで読んで、また買ってしまいました。 あとがきより (前略)私が詩に「きみ」と書くとき、そこにはもしかしたら誰もいないのかもし...
『さっきまでは薔薇だったぼく』を前回拝読して、最果タヒさんの詩はもうわからなくなってきたら読まなくていいかなと思ったのですが、最高傑作という賛辞をどこかで読んで、また買ってしまいました。 あとがきより (前略)私が詩に「きみ」と書くとき、そこにはもしかしたら誰もいないのかもしれないと何度も思う。それでも詩を読む人は誰かのことを思い出しているのだろう、読む人の数だけ「きみ」には名前があって、そこに見える「誰か」がいて、その可能性の大きさに私は改めてずっとさみしくなる。孤独を映す鏡みたいなものだ、「きみ」という言葉を知らなければ人はここまでさみしくないのではないか、と詩を書くとよく思います。他者が最初から最初からいなければ、人はこんなに悲しくはないのではないか。私のことを嫌いな人や、私に興味がない人には私が見えなければいいのに、と思うのにそうはならない。人がいるからさみしい、とも思うし、全ての人に愛されたらそれが解決されるわけでもないと思う。 (後略) ずいぶんとと、「きみ」という他者を意識されているのだなと思いましたが、最果タヒさんのこの詩集では「きみ」はずいぶんとぞんざいに扱われているのではないかという印象を受けました。「きみ」の方もかなり可哀想だなあと思いました。 でも、この詩集でひとつ、いいと思った詩があったので載せます。 「自分の心臓にある花畑の住所」という言葉の広がりがいいと思いました。 「春ののどけき」 死が引き裂くものがあるとおもいますかと、 光の行列が言う、ひなたぼっこ、 愛していると告げた言葉をわれわれはちゃんと覚えていますよ、 誰が忘れようと。 忘れるという行為は人の世においてはとても無力ですが、 忘れてもらわなければ消えないものは多くあるのです、 あなたが好きな人はあなたが忘れることで本当にこの街から消える。 そのことにぞっとしますか? それともほっとしますか? 大丈夫、どちらも愛と言えます。 本当なら人は好きという気持ちより、 自分の心臓のなかにある花畑の住所を伝えるべきだ、 地上のどこかにはかならずあって、きみを手に入れたい、と言うしかなかった感情が、白い質素な花を咲かせている、言葉は愚かだな、すぐに暴力的なことを伝えてしまうな、きみに安心をもたらすためだけにある花畑、風が吹いて黄緑と白が混ざり合って楽譜のようだ。 愛していると伝えると、すべては台無しになる、 だから、愛してほしいと願ってしまう。 ここまで、来てほしいと。
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最果タヒさんだいすきです本っ当に出会えてよかった。 たぶん、ずっとずっと無意識に思ってたことをぜんぶ言語化してくれて、今までスポットライトを当てられなかった感情たちが喜んでる。 ありがたやーほんっと。ずっと好きでいられるかはわからんけど、今はめっちゃ好きだからそれでいいんだよっ...
最果タヒさんだいすきです本っ当に出会えてよかった。 たぶん、ずっとずっと無意識に思ってたことをぜんぶ言語化してくれて、今までスポットライトを当てられなかった感情たちが喜んでる。 ありがたやーほんっと。ずっと好きでいられるかはわからんけど、今はめっちゃ好きだからそれでいいんだよって思わせてくれる。ほんっとにすきまじで。みんなこの人のエッセイ理解できたら、たぶん私が生きやすくなるんだろうけどなっ...…
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個展「われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」に足を運んでいたので、この詩集が出ると聞いてとても心待ちにしていました。 さまざまな形態で展示されていた詩が詩集にきちんと収まっているのを読みながら、うっすらと過去の様子を思い出したりできて、個人的に最果...
個展「われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」に足を運んでいたので、この詩集が出ると聞いてとても心待ちにしていました。 さまざまな形態で展示されていた詩が詩集にきちんと収まっているのを読みながら、うっすらと過去の様子を思い出したりできて、個人的に最果タヒさんの詩集のなかで1番好きなものになりそうです。 「展示室」がとても好きです。
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