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アウシュヴィッツを破壊せよ(上) の商品レビュー

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2023/06/14

ホロコーストの研究を始めるとすぐにわかることがある。ホロコーストは、何百万人もの罪のないヨーロッパ人が殺されたというだけでなく、その恐ろしさを認識して行動に移すことができなかった集団的な失敗の物語でもあるのだ。連合国の政府高官はなかなか真実を見極めることができず、現実を突きつけら...

ホロコーストの研究を始めるとすぐにわかることがある。ホロコーストは、何百万人もの罪のないヨーロッパ人が殺されたというだけでなく、その恐ろしさを認識して行動に移すことができなかった集団的な失敗の物語でもあるのだ。連合国の政府高官はなかなか真実を見極めることができず、現実を突きつけられても、行動を起こすほど道徳心を高めるには至らなかった。ただし、政治的な失敗だけではない。アウシュビッツの収容者たちもまた、ドイツ軍が収容所を残忍な刑務所から死の工場にかえたとき、ホロコーストの規模を想像できなかった。彼らの多くが、目の前の大量殺人を無視したり、正当化したり、あるいは自分の苦しみとは別のものとして頭から振り払うといった人間的な衝動に屈した。P14

Posted byブクログ

2023/05/28

ポーランドが降伏した。そこからこのタイトルである破壊についての物語が始まるようだ。 降伏するイコール何なのかと言うことだが、日本の敗戦とは違う政治的活動があると言うことを考えさせられるものだった。 ヨーロッパにおいてこれだけ何度も侵略され土地を変形させ統治する人も入れ替わりるポー...

ポーランドが降伏した。そこからこのタイトルである破壊についての物語が始まるようだ。 降伏するイコール何なのかと言うことだが、日本の敗戦とは違う政治的活動があると言うことを考えさせられるものだった。 ヨーロッパにおいてこれだけ何度も侵略され土地を変形させ統治する人も入れ替わりるポーランド。 その苦悩は計り知れないと読みながら辛くなっていった。 強制収容所に潜入することになり、見たものあったことをこれだけ詳細に記録しているものは少なくその残虐さに読むのを諦めそうになった。 まだ上巻だが、第二次世界大戦がそれぞれの国でどんな戦争だったか違うと言う視点を持った。 下巻を読む前に、各国のポーランドへの支援がもう少し手厚ければ、ここまでには至らなかったのではと思えてならない。

Posted byブクログ