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鬼平と梅安が見た江戸の闇社会 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2023/10/14

池波正太郎が著わした時代小説の不屈の名作「鬼平犯科帳」と「仕掛人・藤枝梅安」は、18世紀から19世紀初頭の江戸の町を舞台にしている。火付盗賊改として奮闘する鬼平と凶悪人に死の制裁を与える梅安が見た江戸の最暗部とはどのような世界だったのか。

Posted byブクログ

2023/02/08

極気軽に、眼に留まった雑誌を何気なく手にするような感覚で読むことが出来る軽い読み物であるように思う。休日に入手し、読み始めて然程の時間を要せずに読了に至った。 表紙には、池波正太郎の小説を下敷きにしたコミックの「時代劇ヒーロー」という感の画が採用されている。本書はそんな「“時代劇...

極気軽に、眼に留まった雑誌を何気なく手にするような感覚で読むことが出来る軽い読み物であるように思う。休日に入手し、読み始めて然程の時間を要せずに読了に至った。 表紙には、池波正太郎の小説を下敷きにしたコミックの「時代劇ヒーロー」という感の画が採用されている。本書はそんな「“時代劇”で描かれているような時代の様子」を論じる内容で興味深い。 偶々、少し前に何方かと話題にした。一口に「江戸時代」と言ってみても、徳川家康が幕府を開いた17世紀初めと、新選組が出て来るような1860年代とでは二百数十年も開きが在る。「江戸時代」という言い方そのものが、少し大雑把かもしれない。本書では、時代劇の“鬼平”のモデルになったとされる長谷川平蔵が活躍したとされる18世紀末頃、寛政年間周辺や、完全に架空の人物である“梅安”が活躍した時期ということになっている文化。文政の頃という事になる19世紀初頭頃を念頭に、江戸の社会や風俗を論じている。 江戸時代を通じて、様々な制度が発展して行って、時代劇ドラマのモデルになるような状況が生じて来た。それでも。時代劇ドラマは様々な脚色が多いかもしれないのだが。それはそれとして、本書では概ね18世紀末頃を基準に、警察的な気候やその仕事、犯罪の処罰、一般的な商家の様子、風俗営業の様子、所謂“渡世人”の様子等、色々なテーマに関して「こういうような様子だったようだ」ということを論じている。 或いは「“時代劇”がより一層愉しめる」というような内容の本書である。一寸御薦めしたい。

Posted byブクログ