1,800円以上の注文で送料無料

パレスチナ 特別増補版 の商品レビュー

4.3

6件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/08/19

豊島晋作さんがパレスチナ問題の解説で紹介されていたこの本。 ジャーナリストの漫画家であるジョー・サッコが1991年から92年にかけて、イスラエルの占領地であるヨルダン側西側地区やガザ地区で2ヶ月パレスチナ人と共に過ごしてインタビューをして描かれた漫画です。 実際に難民キャンプや占...

豊島晋作さんがパレスチナ問題の解説で紹介されていたこの本。 ジャーナリストの漫画家であるジョー・サッコが1991年から92年にかけて、イスラエルの占領地であるヨルダン側西側地区やガザ地区で2ヶ月パレスチナ人と共に過ごしてインタビューをして描かれた漫画です。 実際に難民キャンプや占領地で現地の人のところに滞在したりしていたので、言葉や描写がリアルです。 30年以上前のパレスチナだけど、今も暮らしは大きく変わりがないとのことです。 もしかしたら武器や戦い方の進化でもっと悪化しているかもしれません。 著者が知り合ったパレスチナの青年の言葉、 「おれには西側のきみたちの生き方が理解できない。ドラッグとか‥。きみたちの価値観がわからないよ。」 「逮捕されてもかまわないさ。また監獄にはいりたくはないが、これがおれたちの人生なんだ。」 常にイスラエルの監視があり、兵士たちに暴行を受け、すぐにつかまり拷問をうける日常。 でも、彼らは生まれたときから争いと憎み合いと暴力の中にいて、宗教的な価値観もあるし、私が想像するのとは違う考えや思いを持っていることを感じました。 そして、憎しみ合うことが日常で、仕返ししてやろうと憎しみがどんどん下の世代に当たり前のように受け継がれているのがとても悲しくつらいです。 左から右へ進むコマ割りと独特な絵でちょっと読みづらいのですが、リアルなパレスチナを知るのにはとても良い漫画だと思います。

Posted byブクログ

2024/06/06

読んだのは旧版。 グラフィックノベルとはいえ、ボリュームがある。 パレスチナの人々の日常。 差別され、抑圧され、監視され、気まぐれのように暴力にさらされ、日常的に命を奪われる。

Posted byブクログ

2024/05/30

コミックジャーナリズムというのは知らなかった。第9章でイスラエル人の女性達と歓談しているなかでイスラエルが望む“平和”とパレスチナの現実の乖離に齟齬をおぼえた。コミック自体クセが強く、ストーリーを追うという感じでもないのでやや難しかった。主人公は悲劇のナラティブにややウンザリして...

コミックジャーナリズムというのは知らなかった。第9章でイスラエル人の女性達と歓談しているなかでイスラエルが望む“平和”とパレスチナの現実の乖離に齟齬をおぼえた。コミック自体クセが強く、ストーリーを追うという感じでもないのでやや難しかった。主人公は悲劇のナラティブにややウンザリしており、それはわかるが、現在でもその軋轢は続いている……。

Posted byブクログ

2024/02/12

漫画と思って軽い気持ちで読み始めたが、想像以上に濃密な内容で時間をかけながら読み進めた。著者がパレスチナに滞在したのは90年代初頭とのことだが、いまでも西岸地区やガザ地区では同じような(いや、それ以上に非人道的な)行為がまかり通っているのだと思う。自分もパレスチナを訪れたことがあ...

漫画と思って軽い気持ちで読み始めたが、想像以上に濃密な内容で時間をかけながら読み進めた。著者がパレスチナに滞在したのは90年代初頭とのことだが、いまでも西岸地区やガザ地区では同じような(いや、それ以上に非人道的な)行為がまかり通っているのだと思う。自分もパレスチナを訪れたことがあるが、自分の目で見て、五感で感じることの大切さを感じた。西側メディアが決して報じない現実に、いま改めて光を当てる勇気を称えたい

Posted byブクログ

2024/02/23

★絵と一人称の強さ★第一次インティファーダ末期の1991~92年に、パレスチナに2カ月滞在して描いた漫画。コミックジャーナリズムと呼ばれるそうだ。知識が足りないのと海外漫画のスタイルに慣れていないのとで、最初は読み進めるのに引っ掛かる。 絵の訴える力は強く、現地の人々がリアルに迫...

★絵と一人称の強さ★第一次インティファーダ末期の1991~92年に、パレスチナに2カ月滞在して描いた漫画。コミックジャーナリズムと呼ばれるそうだ。知識が足りないのと海外漫画のスタイルに慣れていないのとで、最初は読み進めるのに引っ掛かる。 絵の訴える力は強く、現地の人々がリアルに迫ってくる。著者本人が漫画に登場して、パレスチナに同情的でイスラエルに腹立ちながら、一方で劣悪な環境で過ごすことや、同じ話を現地で何度も聞かされる厭世観も匂わせて、微妙なバランスを示す。一人称で語る特異なジャーナリズムでもある。そして、今も状況は何も変わっていないことがつらい。 絵(特に表情の描き方)とコマ割りでは日本の漫画に一日の長があるように感じる。地の文字がばらばらと記されたり吹き出しの配置が変だったり、もったいない。

Posted byブクログ

2024/01/01

第108回アワヒニビブリオバトル「年越しビブリオバトル2023→2024」で紹介された本です。1ゲーム目。チャンプ本。オンライン開催。 2023.12.31

Posted byブクログ