「くうき」が僕らを呑みこむ前に の商品レビュー
児童書の扱いだが、大人でも充分読みごたえのある内容である。タイトルのとおり日本人は「くうき」を読み過ぎるので、大事なことは自分の意見をはっきりと言うべきだし、周りの雰囲気に流されないことが重要なのか書かれている。
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〇漠然とした不安感が何かを知る 0:「まさか」の未来 戦争反対とも正義とも関係なかった一人の兵士が横たわっている 1:「たまたまいっしょにいる人たち」とうまくやらなくてはならない 社会って? 運命共同体がうまくいくために決まり作る 2:みんなで守る決まりを「多数決」で決めるのはなぜか 権力の集中は危険 たいへんだけど「多数決」 ※民主主義のすてきなところ、課題 3:ヘンな決まりができないようにめんどうでも話し合う 自分はどうしたいか 考えた意見を出し合う 話し合いながら意見を修正したり発展させたりする 困る人がいないかも、考える どの意見に賛成するか決めて多数決する 正しい情報も集めておく ※知ることの大切さ 情報公開、見える化 4:「多数決」のザンネンなところ 多数派と少数派 少数派でも意見を代える必要はない どちらかが間違っているのではなく、お互いに違う ※少数意見の尊重と対話 5:「空気」に操られる怖さ サイレント・マジョリティとラウド・マイノリティ みんなが賛成する意見に賛成←危険 誰も望んでいなかった選択 空気と未来を決めるのは「言いだしっぺ」ではない ←周りにいる人のはじめの反応と、たくさんの黙っているわたしたち ※気付かぬうちに悪に手を貸していないか 6:これまでの失敗 「戦争の最初の犠牲者は真実だ」 日本の戦争 ※戦争の犠牲者は市民、ただし加害者にもなり得る 7:実は貴重品。「言論の自由」 わたしたちはみんな、自分の考えを、言いたいときに、言いたいように、言っていい サイレントマジョリティの私たちは「自分の考えを言う」練習をしなくてはならない 生きのびる確立を高くするために集まった私たち、集まってできた国のために死ぬなんておかしい あなたの「小さな社会」がヘンな空気にならないように だいじなときには黙っているのをやめて、自分たちの未来を自分たちで決めよう 社会に関心を持とう できることからやってみよう ※今の日本と世界についての解説 日本の貧困状況、労働環境の変化、自助・凶状:公助、民主主義社会の分断状況、ネットとフェイク、情報公開制度、LGBTQ 、少数民族の迫害、悪の凡庸、莉己と利他、戦争放棄、国の守り方、主権国家、徴兵制、戦中の言論、プロパガンダ、監視社会
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空気を読んで発言しないなんてもったいない。自分の意見をきちんと持とう!と考えさせてくれる本。高学年?中学生の方が響く?手渡す時はタイミングが大事だと感じる。
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【言論法】を専門に大学で教えている【山田健太】さんの、【民主主義】と【言論の自由】についての児童書。 メインの文章はまるで絵本のように書かれていて、ルビも振ってあるので、小学生でも読めるのではないだろうか。 小学生って「空気を読みはじめてくる」時期ではないかと思う。←どうなんでしょうね。 特に学校などでは「空気を読む」能力が必須スキルとされ、中学、高校、大学、社会人と、進学していっても、その能力は必要とされる。 でも、「空気を読んで」黙っていると、大変なことになるよ、というのがこの本の主題である。 「ある集団がどうするのか空気や未来を決めるのは声の大きい“言い出しっぺ”ではなく周りにいる人のはじめの反応とたくさんの黙っているわたしたちだ。」p54,55 大事な未来を奪われないために、今のうちから、ちゃんと調べて、考え、周りの人の意見も聴きつつ、自分の意見を言う訓練をしよう、と、締めくくられる。 考えてみれば、当たり前のことだが、それが出来てない人、家庭、会社、国、も多いような気がする。 私も現実世界では出来てないひとり。 今からでも、何とかしていきたいと思う。 【たまむらさちこ】さんによる、ゆるっとしたイラストが読みやすさをグンとアップしている。 メインの文章の合間にコラム。 巻末に用語解説がある。 そちらにはルビは振られていない。
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最近意図せず戦争に繋がる本を手に取ってしまうことが多い。 日本人の「空気を読む」が時としてこんなに恐ろしいとは。 『つまりある集団がどうするのか空気や未来を決めるのは声の大きい「言い出しっぺ」ではなく周りにいる人のはじめの反応と黙っているわたしたちだ』 私は戦争なんて反対だ。祖父母の経験した戦争を実際に経験なんて絶対にしたくない。 『まさかこんな風に死ぬなんて』…なんて思いたくない。 空気なんて読まずに大事なことは声をあげていこうと思った本。
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