父から娘への7つのおとぎ話 の商品レビュー
一話めのおとぎ話、収集家と水の精がゾワッとする怖さでした。父親の人物像が少しづつ解けていくドキドキ感と、エリスとレベッカのやり取りにまた違ったドキドキもあり、楽しく読めました。
Posted by
図書館でタイトルと装丁に惹かれて借りました。ファンタジー系のほのぼのとした本かなと思っていたのですが、ヒューマンドラマ+ミステリ、と言った感じでした。読みやすく、面白かったです。 タイトル通りおとぎ話も出てくるのですが、現実社会に生きる主人公と上手く絡めて話が展開していきます。貸...
図書館でタイトルと装丁に惹かれて借りました。ファンタジー系のほのぼのとした本かなと思っていたのですが、ヒューマンドラマ+ミステリ、と言った感じでした。読みやすく、面白かったです。 タイトル通りおとぎ話も出てくるのですが、現実社会に生きる主人公と上手く絡めて話が展開していきます。貸出期限もあってか再読は出来なかったのですが、もう一度読んで伏線を回収したいです。
Posted by
イギリスの女性が父が書いたおとぎ話を元に行方を追う話。周りが見えず自分勝手すぎるなーと辟易する場面もいくつかあったけれど、自然な流れで最後まで面白かった。
Posted by
幼い頃から父親を断絶して成長したレベッカが主人公。俳優として名高い父親の取材を申し込んだ記者との接触により独自で父親探しを始めた主人公が行き着く先は?と言うミステリーっぽい作品。結果はどうれあれ、プロセスがとても良かったし、忌むべき父親像を恋うる対象に格上げした雰囲気も良かった。...
幼い頃から父親を断絶して成長したレベッカが主人公。俳優として名高い父親の取材を申し込んだ記者との接触により独自で父親探しを始めた主人公が行き着く先は?と言うミステリーっぽい作品。結果はどうれあれ、プロセスがとても良かったし、忌むべき父親像を恋うる対象に格上げした雰囲気も良かった。
Posted by
まず、表紙の可愛らしさ。 そして、タイトル。 ノスタルジックで、ほっこりしたストーリーを誰もが想像するのではないでしょうか? …結果、全く違いました。 誰もが知っている有名な子ども番組に出演していた父。娘のレベッカが子どもの頃に番組からは降板し、行方も分からない。 20年間会って...
まず、表紙の可愛らしさ。 そして、タイトル。 ノスタルジックで、ほっこりしたストーリーを誰もが想像するのではないでしょうか? …結果、全く違いました。 誰もが知っている有名な子ども番組に出演していた父。娘のレベッカが子どもの頃に番組からは降板し、行方も分からない。 20年間会っていなかった父をあるきっかけから探すことになるレベッカ。 なぜ、番組を降板したのか?家族の前から姿を消したのか?父が残した7つのおとぎ話を手がかりに父を探すレベッカ。ミステリー仕立てになっています。 幼かった頃の記憶の中の父と、周囲の人が語る父の姿の乖離。 家族がどんな人間であるかをこちらが選ぶことはできない。こちらが選べることは、彼らを自分の人生の一部にするか否か……。 お正月。 久しぶりに家族と過ごす日であったりします。 心の拠り所であると同時に厄介な存在でもある家族。 人間関係の中で一番複雑な関係なのかもしれません。 でもかけがえのない存在であることは確か。 また来年もこうやって過ごせるといいな、と思ったのでした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
かつて子ども向けTV番組『密航者』で名を馳せた父、レオを探す娘レベッカの物語。 間も無く26歳になるレベッカは、幼い頃蒸発してしまったレオについて、彼に関する話題への家族のだんまり、拒絶も手伝い、ほとんど考えることなく過ごしてきた。 あの世間を賑わせた『密航者』ですら観たことがないくらいに。 ところが、とあるネット記者が「回顧記事に憧れのレオを取り上げたい、居所を知らないか」と協力を求めてきたことから、父との鮮やかな日々の思い出が蘇り、俄然自分ごととして父の行方が気になり始める。 家族に当たりをつけても、不穏な空気になるばかり。 そんな中、祖母から手渡された『7つのお話』。 父が失踪の2年後に9歳のレベッカに向けて書いたおとぎ話だという。 失踪した父の足跡を娘が辿る話、よくある話のようで、あれ、意外と思い浮かばない。 7つのおとぎ話が作中作として全文掲載されているも特徴的。 そして、調べを進めるうちにそのおとぎ話が暗示する解釈に胸がキリキリする。 どうにも制御出来ない心と大切なものを失いたくない気持ち。 共感できる部分ばかりではないけど、なんか分かるよその生きづらさ。 なんと言っても18章で語られる父レオ目線での顛末に胸を打たれる。 これが男性作家が書いたものならただの自己陶酔ではと感じてしまうが、女性作家に描かれることにより公平性が増すように思える。 訳はラーラ・プレスコット『あの本は読まれているか』の吉澤康子さん。 ミステリ度は低めだが、渋い良書を訳されますね。
Posted by
建築事務所の非正規社員として働くレベッカは、幼い頃に父親が家を出てから、母親に育てられ、もう20年ほど父親と会ってない。 そんな彼女のもとに、男性記者エリスから何度も連絡があり、父親とは連絡はとっていないのか?どこに住んでいるのか知らないのか?と尋ねられる。 いつのまにか記憶...
建築事務所の非正規社員として働くレベッカは、幼い頃に父親が家を出てから、母親に育てられ、もう20年ほど父親と会ってない。 そんな彼女のもとに、男性記者エリスから何度も連絡があり、父親とは連絡はとっていないのか?どこに住んでいるのか知らないのか?と尋ねられる。 いつのまにか記憶にもなかった父親のことが、思い出され、自分と母は父親に捨てられていたと信じていたのだが… 祖母から話を聞こうと、会ったときに手渡されたのは父親からレベッカへの一冊のおとぎ話の本だった。 そこから父親のことを知りたくなり、記者エリスの取材に協力するという理由で、2人で父親を探す。 父親のことが、おとぎ話の1話ごとに少しずつ明らかになっていく。 中盤から記憶の奥底にある父親の姿を追い求める娘の複雑な心境が、胸に迫ってきて切なさややりきれなさを感じてしまう。 7話の影のない男のおとぎ話を読むと自由でいたいのにできない、身動きできないもどかしさや息苦しさを覚える。 父親の苦しみを知ることで、会いたさが募るレベッカだが、複雑になるエリスとの関係にも悩まされる。 ゆるやかに進みながらもおとぎ話を挟んでいることによって、想像が膨らんでしまい、最後まで目が離せなくなる物語だった。
Posted by
愛に包まれた家族の物語 読み終えた今、胸がいっぱいで涙が溢れる そしてこれから訪れるであろう、主人公レベッカの未来に思いを馳せる…… レベッカの幼い頃、父親のレオは姿を消した。 レオは人気俳優だった。 それ以来、母親や家族は父親など最初から存在しなかったかのように暮らしている...
愛に包まれた家族の物語 読み終えた今、胸がいっぱいで涙が溢れる そしてこれから訪れるであろう、主人公レベッカの未来に思いを馳せる…… レベッカの幼い頃、父親のレオは姿を消した。 レオは人気俳優だった。 それ以来、母親や家族は父親など最初から存在しなかったかのように暮らしている。 レベッカもそのように暮らしてきた。 でも心の中から父親が消えたことはない。 ある日職場に現れたのは、レオについて調べているという記者のエリス。 これをきっかけにレベッカは父親を探していくのだが… 捜索の手がかりになるのは、緑色の表紙の古い本。 父親がレベッカのために書いた「おとぎ話」だ。 これらの文章に隠されたものとは? 七つのお話を慎重に読み解きながら父親の足跡を辿り、過去を知っていく。 レベッカの住むデヴォン州エクセター(イギリス南西部の地方都市)からロンドン、ケント州、エディンバラへと父親探しのロード・ムービーのようでもあるこの物語。 共に行動するのは記者のエリス。 二人の距離感も気になるところ。 Google Earthを見ながら読むのも楽しい。 とってもとっても素敵なお話でした。 レベッカは仕事や母親との関係に悩んだり、些細なことに傷ついたりと、ごく普通の26歳。 そんな気持ちの揺れ動きが丁寧に描かれていて、親近感を持つ。 そして魅力的な脇役たちが物語を彩るのです。 それはレベッカの親友・エイミーや、エリスの友人・キャム。 特にキャムは最高に素敵な男性で、きっとキュンしますよ❥ この作品は、autumn522akiさんのレビューから手に取りました。 ありがとうございます!
Posted by
レベッカの父親は、テレビの子ども向き人気番組の主役だったが、レベッカが幼い頃突然番組を降り、行方がわからなくなっていた。大人になったレベッカのもとに、その行方を探しているというライターが現れる。 なぜ父親は姿を消したのか。父親がレベッカに残した7つのおとぎ話の゙本に隠された父親の...
レベッカの父親は、テレビの子ども向き人気番組の主役だったが、レベッカが幼い頃突然番組を降り、行方がわからなくなっていた。大人になったレベッカのもとに、その行方を探しているというライターが現れる。 なぜ父親は姿を消したのか。父親がレベッカに残した7つのおとぎ話の゙本に隠された父親の思いと葛藤。 ミステリーというよりも、父親を探すロードムービーという感じ。双極性障害への無知と偏見がキーポイントと言えるだろう。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
アマンダ・ブロックのデビュー作。 ミステリに限りなく近い家族小説。 7つのおとぎ話が書かれた絵本を残し、姿を消した父を探す物語。残された娘が、一つ一つのおとぎ話を手がかりに、家族や親戚が絶対に話そうとしない父の姿を追う。 おとぎ話から父へアプローチする過程がミステリ風(それだけではなく、ある一点も非常にミステリな要素あり)。 ただ本質は家族小説。なぜ父は姿を消したのか。父の本当の姿は。この辺りは、ベタといえばベタなのだが、読みたいものを読ませてくれる感じが非常に良い。 心が暖かくなる小説を読みたい時に、ぜひおすすめしたい。
Posted by
- 1
- 2