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日本酒外交 の商品レビュー

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2023/12/28

門司健次郎(1952年~)氏は、東大法学部卒の外交官。オーストラリア、ベルギー、英国の各日本大使館、EU日本政府代表部、条約局、総合外交政策局、防衛庁等の勤務を経て、駐イラク大使、広報文化交流部長、駐カタール大使、ユネスコ日本政府代表部大使、駐カナダ大使等を歴任し、2017年に退...

門司健次郎(1952年~)氏は、東大法学部卒の外交官。オーストラリア、ベルギー、英国の各日本大使館、EU日本政府代表部、条約局、総合外交政策局、防衛庁等の勤務を経て、駐イラク大使、広報文化交流部長、駐カタール大使、ユネスコ日本政府代表部大使、駐カナダ大使等を歴任し、2017年に退官。日本酒を広める活動を推進し、日本酒造青年協議会から「酒サムライ」叙任。フランスの日本酒コンクール「クラマスター」の名誉会長。 本書は、著者が、外務省入省から10年余りを経て、当時注目されつつあった吟醸酒を口にして日本酒の美味しさに目覚め、その後、外交官として世界各国と日本国内で日本酒外交を推進してきた活動について、綴ったものである。 私は、著者の一回りほど下の世代だが、著者と同様、学生の頃の体験から、日本酒は「不味くて危ない酒」と刷り込まれており、長年ずっと避けてきた。ところが、最近たまたま飲んだ吟醸酒があまりに美味く、色々な銘柄を一通り飲んでみようという気になり、本書も手に取った。 目次は以下である。 第1章:日本酒との真の出会いとそれまでのお酒との付き合い、第2章:世界の酒を飲む―日本酒に出会ってから、第3章:日本酒入門、第4章:外交と日本酒、第5章:日本酒外交の展開、第6章:日本酒復権の鍵はユネスコ無形文化遺産登録、第7章:具体的な日本酒振興策 本書では、著者が様々な国で飲んできた様々なお酒、特にワインとベルギービールについて、ページを割いてはいるが、メインはもちろん、著者が、外交官としての会食等の場で、どのように日本酒を活用してきたか、日本酒外交を推進するために、外務省にどのように働きかけてきたか、また、日本酒の認知度を上げるために、どのような活動をしてきたか(今後していくべきか)等を、熱く語った部分である。 内容は、正直なところ、かなりニッチであるが、日本酒が好きで、かつ、外国との(食)文化交流に興味のある向きには、楽しめる一冊といえるだろう。 (2023年12月了)

Posted byブクログ