パウル・ツェランと中国の天使 の商品レビュー
多和田葉子さんが、パウル・ツェランの詩の世界をドイツ語で書いた小説の日本語訳。 闇の中を光を求めて彷徨っているような気分になった。 不思議な読書体験。 表紙の曼荼羅の意味を最後に感じる。 次に読む多和田作品は『百年の散歩』にしよう。
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すごくいいんだけど最後のエピローグは必要だったのか考えてしまった。多和田葉子の本文自体は詩的でとても素敵。
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多和田葉子の小説かと思っていたら翻訳であった。パウル・ツェラン自体があまり日本では知られていない。詩集がもっとメジャーになってくれたらわかりやすい。註が多く、さらにツェランについての説明も丁寧であったので、ツェランについて知るには簡易な本であると思える。
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多和田葉子が独語で執筆したものを翻訳したもの。巻末の訳注は50P弱にもおよぶ。よって本文は難解。ツェランの詩を知らないので、ぼんやりとしたことしかわからない。それでも言葉や言語に対する並々ならぬこだわりを感じる。何よりユーモラスなところがやはり大好きな作家だ。
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短い作品ではあるが注釈を読まないとパウルツェランのエッセンスは到底わからない(個人差はありますが)と思う。私は詩を人生で堪能してきた人間ではないから、彼に触れるのはお薦めしないとご提言をいただいた反駁で手に取ったわけであるが、間テクスト性満ち溢れた本作はより彼について知りたいと思...
短い作品ではあるが注釈を読まないとパウルツェランのエッセンスは到底わからない(個人差はありますが)と思う。私は詩を人生で堪能してきた人間ではないから、彼に触れるのはお薦めしないとご提言をいただいた反駁で手に取ったわけであるが、間テクスト性満ち溢れた本作はより彼について知りたいと思わせ、同時に多和田葉子という作家が積み上げてきたエクソフォニーを体感できるようなそんな作品だった。彼女の作品を関口さんが翻訳する。日本人のかいたドイツ語文学を日本人が翻訳する?不思議な試みだなと当初考えてはいたものの、同じ人間でも異なる言語に身をおいてみれば織り成す内容も形式も変わってくる。まさに「世界は言語によって構成される」を体現した作品だと私は思う。はじめは仕様もない動機で手に取った本作であるが、「言葉に身を置く」これぞ読書といえるような体験が出来る作品だった。
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【まだ歌える歌がある、人間たちの彼方に。】コロナ禍のベルリン。若き研究者のパトリックはツェランを愛読する中国系の男性に出会い、その詩の世界へ導かれる。注釈付き翻訳小説
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