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現代戦略論 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2024/02/21

現在の日本の置かれた状況において、安全保障戦略をどのように考えたら良いかを提示する一冊。戦略のイロハも整理されているので、仕事の上でも参考になる。 後半の中国を念頭に置いた防衛戦略の話では、日本に置かれた状況の厳しさを再認識させられた。ニュースでよく見る、ミサイルでハリネズミにし...

現在の日本の置かれた状況において、安全保障戦略をどのように考えたら良いかを提示する一冊。戦略のイロハも整理されているので、仕事の上でも参考になる。 後半の中国を念頭に置いた防衛戦略の話では、日本に置かれた状況の厳しさを再認識させられた。ニュースでよく見る、ミサイルでハリネズミにしようとしているような現実の防衛力整備の進め方にも合点がいく。 現状維持サイドと現状変更サイドという軸を想定し、何にどのように備えるか考えていくという流れもわかりやすい。

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2023/12/06

筆者も書いているが、戦略の役割はビジネスのものと非常に近い。防衛戦略の効果が定量的に計測できないことを除けば。 戦力劣位で現状維持を目的とする日米側が、戦力優位で現状変更を目的とする中国の先制攻撃で相応(相当)の被害を被る設定は、現実的ではあるのだろうが、実際に明記されることで...

筆者も書いているが、戦略の役割はビジネスのものと非常に近い。防衛戦略の効果が定量的に計測できないことを除けば。 戦力劣位で現状維持を目的とする日米側が、戦力優位で現状変更を目的とする中国の先制攻撃で相応(相当)の被害を被る設定は、現実的ではあるのだろうが、実際に明記されることで感じる危機感は大きい。

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2023/08/15

最初の3分の1で戦略に関して定義や論点を整理し、残りの3分の2で安全保障戦略を論じています。 とくに「現状変更」を図る中国に対して、日本の大戦略は「現状維持」であり、この戦略目的の非対称性に日本の勝機があるという点は、多くの人が認識しておく必要があるように感じました。

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2023/05/18

安全保障戦略の評価は究極的には戦争に勝つないし負けるというかたちで現れるとはいえ、国際政治において戦争行為は状態的に行われているものではない。また安全保障分野における戦略は、自助努力ないし同盟国などとの協力を強化していくことによって自らに有利なパワーバランスを構築していくことを通...

安全保障戦略の評価は究極的には戦争に勝つないし負けるというかたちで現れるとはいえ、国際政治において戦争行為は状態的に行われているものではない。また安全保障分野における戦略は、自助努力ないし同盟国などとの協力を強化していくことによって自らに有利なパワーバランスを構築していくことを通じて戦争を回避することを目指すべきであって、戦争に勝利することそれ自体ではない。仮に戦争に勝利を得たとしても、戦争という局面が発生したこと自体が戦略の失敗であることも考えられうる。このように安全保障戦略を客観的な指標に基づいて評価することは極めて困難である。P31

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2023/05/16

大戦略の1つ下の階層に位置する軍事戦略、防衛戦略といったところ。特にウクライナの情勢を受け、時代の変わり目にいかにあるべきかという話。 まずは戦略とは何か、経営学等も踏まえて論じている。紙となった戦略自体に価値はないが戦略立案プロセスに価値があるというアイゼンハワーの至言を紹介。...

大戦略の1つ下の階層に位置する軍事戦略、防衛戦略といったところ。特にウクライナの情勢を受け、時代の変わり目にいかにあるべきかという話。 まずは戦略とは何か、経営学等も踏まえて論じている。紙となった戦略自体に価値はないが戦略立案プロセスに価値があるというアイゼンハワーの至言を紹介。戦略を成功させるには戦略の階層性を認識し、目的を失敗が何か定義することで明確化する等が必要。 現状の分析から、大国間競争の時代に日本は地政学上の現状維持と民主的価値を重視したデジタル革命を大戦略上の目的とする。防衛戦略は将来戦の予測は難しいものの、戦闘が正規戦かハイブリッド戦か、戦場の霧が残るか消えるかの4つの軸で考え、分析する。そして統合海洋縦深防衛戦略を提案している。具体的には対艦飽和攻撃、宇サ電の向上、敵航空基地を破壊する航空相殺攻撃能力の向上等からなる。 比較優位という言葉は経済学の定義を離れて使われているのかな。

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2023/03/22

ウクライナへの侵攻が始まってテレビなどでよくお見かけするようになった高橋先生の著作。台湾を筆頭に緊張の高まる米中関係の中、傍観者ではなく当事者として日本はどのような戦略を取るべきか、安全保障戦略について考える上で助けとなることは勿論、戦略の構築という点ではこれからの人生において短...

ウクライナへの侵攻が始まってテレビなどでよくお見かけするようになった高橋先生の著作。台湾を筆頭に緊張の高まる米中関係の中、傍観者ではなく当事者として日本はどのような戦略を取るべきか、安全保障戦略について考える上で助けとなることは勿論、戦略の構築という点ではこれからの人生において短期から中長期的な課題に向き合う時にも応用できるかも。これも「暗黙知」を形成するための一手なのではと思ったりして。

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2023/01/09

中国のミサイル戦力が優勢な中、現状変更を阻止するという日本の目的を達成する手段・方法として「統合海洋縦深防衛戦略」を提示し、あらゆるプラットフォームからの対艦ミサイル攻撃態勢の構築と、我の状況認識能力の向上と、中国の状況認識能力の妨害能力としてのウサデンを重視すべきと説く。

Posted byブクログ