山岳捜査 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
長野県警山岳遭難救助隊の桑崎祐二と浜村隆は非番を利用し雪残る後立山連峰に登っていた。そんな時、登山者としては不審な3人組がカクネ里にいるのを見つけた。立場上遭難されても困るため気を配っていたところ、下山途中にカクネ里で倒れている人を見つける。その女性遺体を回収するヘリが迎えにくる時に雪崩が発生し、二人は間一髪救出された。 遺体は他殺のおそれがあり事件の匂いがしたが捜査一課の富坂は山の中の事件の捜査に消極的だった。 その後、男2人と女1人のパーティから救難要請があり、遺体について何か知っている可能性があるカクネ里の怪しい3人組と思えたが吹雪の積雪のため男2人は死亡、女も意識不明だった。
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登山を熟知していてその良さを伝えようとした作家。この本では、山が主人公に思えて、事件は彩り(語弊があるが)。
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山岳小説と警察小説とを融合したミステリー。 厳冬期の冬山、嵐のなかで山岳遭難救助隊が捜索と救助を行う描写は、山の経験の豊富な著者ゆえ、臨場感に溢れ、読む者にも息詰まる思いを抱かせる。 一方、女性の他殺死体を巡る事件は複雑な様相ではあるが、捜査一課の刑事の喋り方が『越境捜査』の神奈...
山岳小説と警察小説とを融合したミステリー。 厳冬期の冬山、嵐のなかで山岳遭難救助隊が捜索と救助を行う描写は、山の経験の豊富な著者ゆえ、臨場感に溢れ、読む者にも息詰まる思いを抱かせる。 一方、女性の他殺死体を巡る事件は複雑な様相ではあるが、捜査一課の刑事の喋り方が『越境捜査』の神奈川県警の刑事を連想し、多少興醒めの気分も。 本書のなかで、この事件で捜査活動に目覚めた山岳救助隊の一員が、山岳機動捜査隊の構想を話している。著者の頭の中にもあったかもしれないが、2021年に急逝して、この先迫力ある新しい山岳小説が読めないのは残念の極み。
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