ドキュメント 通貨失政 の商品レビュー
1970年代初頭のニクソンショックからスミソニアン体制を経て変動相場制となるまでの日銀の動きから見た金融政策。 日銀の独立が十分に担保されていなかった当時、政府、大蔵省の顔色を伺いながらの政策(公定歩合)決定や通貨が切り上がることへの本能的抵抗感から、通貨・金利両政策が後手に回...
1970年代初頭のニクソンショックからスミソニアン体制を経て変動相場制となるまでの日銀の動きから見た金融政策。 日銀の独立が十分に担保されていなかった当時、政府、大蔵省の顔色を伺いながらの政策(公定歩合)決定や通貨が切り上がることへの本能的抵抗感から、通貨・金利両政策が後手に回ったことにより列島改造論からオイルショックに至る狂乱物価を抑えられず、スタグフレーションを発生させるに至った経緯が発言録等により明らかにされる。 諸外国の的を射た(ているようにみえる)適時の対応に比べ、我が国の特殊事情に勘案したり当局の内部事情に足を取られ、対応が遅れたり小出しになるというのはバブル崩壊時もそうだったし、我が国の宿痾のようにも思われる。 遡れば日華事変もそうだった。 1ドル=360円から308円に切り上がったことは知っていたが、その後、今に至る変動相場制がいわば暫定措置として実施されたものとは気づかなかった。 特定郵便局の政治力を背景に利下げに貯金金利を同調させない郵政省の動きを見ると、郵政民営化には一定の理があったと思わされる。
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