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もののふの国 の商品レビュー

3.7

37件のお客様レビュー

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2023/01/17

螺旋プロジェクト7冊目。平安末期~幕末。武力が権力の源だった時代。 この作品では、武士が民から税を取り立てられるのは、領地を命懸けで守るため、とされている。為政者は権力が無ければ政を為すことはできない。では権力の源とは何か。おそらく「契約」なのだろう。言うことを聞けば(税を納めれ...

螺旋プロジェクト7冊目。平安末期~幕末。武力が権力の源だった時代。 この作品では、武士が民から税を取り立てられるのは、領地を命懸けで守るため、とされている。為政者は権力が無ければ政を為すことはできない。では権力の源とは何か。おそらく「契約」なのだろう。言うことを聞けば(税を納めれば)・・・金をやる、戦の時は敵から守ってやる、飢饉の時は食べさせてやる、天変地異が起きれば祈ってやるなど。人から施しを受けなくても自給自足できる狩猟民は権力者が生まれにくい。逆に、土地や水といった環境制約に左右される農耕・牧畜民は必然的に権力者と従う者を生み出す。 いったい、政治家やお偉いさんって何を権力の源としてるのか?何か秘密や人質でも握られてるか如く、ただの一声でいい大人たちが言うことを聞くって不思議。 死んでも金が払われない生命保険に掛け金を払う奴はいない。すなわち契約とは確実に実行されるという信用・担保があって成立する。一方で将来のことなど誰にも分からない。保険会社も倒産するし、強いと思った武士も負けるかもしれない。この作品でも「自力救済」という言葉が出てくる。今でいうと自己責任か。世の中の不確実性が高まると「自力救済」に傾くかざるを得ないのかもしれない。ラブ&ピースからどんどん遠ざかっていくなあ・・・ 交易・商いをベースとする海の民、土地・年貢をベースとする山の民という設定が興味深い。いまの日本では、財務省を頂点とする官僚・政治家利権共同体が山の民ってとこか。海の民は新興企業あたりなんだろうけど、ちょっと目立つと山の民に貶められてる時代が続いてる。没落していくわけだよ。

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2023/01/14

ある時代を横串にした短編は数多く読んだが、縦串しの短編集は、ある意味斬新で面白く読んだ。個人的には、『もののふ』を一本通す題材の終話を幕末ではなく、西南戦争においているところは、一歴史小説ファンとして共感した。また、この『螺旋プロジェクト』中、山族、海族と表現しているものは、歴史...

ある時代を横串にした短編は数多く読んだが、縦串しの短編集は、ある意味斬新で面白く読んだ。個人的には、『もののふ』を一本通す題材の終話を幕末ではなく、西南戦争においているところは、一歴史小説ファンとして共感した。また、この『螺旋プロジェクト』中、山族、海族と表現しているものは、歴史史実を通して見ても、山の螺旋を駆け巡るごとく、右から左へと揺れ動きながら今にいたる歴史を象徴するものを表していると思った。

Posted byブクログ

2023/01/12

螺旋プロジェクトの一冊。 見守り役が余りに出過ぎてて、ただ単に決められた通りに進める為だけに海族と山族が存在してる、みたいになってるだけな気がして、他の小説よりものめり込めなかった。 途中、そうじゃないみたいな説明はあったけど じゃあどうして手助けするのか?納得できない…

Posted byブクログ

2023/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

歴史の大きな節目を、交わることのできない二つの一族の対立に見立てられていたが、史実に則りつつファンタジー要素もあり、とても面白い作品だった。

Posted byブクログ

2023/01/07

海と山の対立が武将の戦いにうまく当てはめられていて面白かった。永遠に人は戦を繰り返さなければならないのか…

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2022/12/26

螺旋プロジェクト、中世•近世編。 平正門の乱終焉から、源平合戦、鎌倉、室町、戦国、江戸徳川、そして幕末の西南戦争まで。およそ千年の武士の国だった日本の物語。なかなかのスピード感。歴史に残された対立は、その山族海族の血の対立から引き起こされたという歴史ファンタジー。源氏系が山族、平...

螺旋プロジェクト、中世•近世編。 平正門の乱終焉から、源平合戦、鎌倉、室町、戦国、江戸徳川、そして幕末の西南戦争まで。およそ千年の武士の国だった日本の物語。なかなかのスピード感。歴史に残された対立は、その山族海族の血の対立から引き起こされたという歴史ファンタジー。源氏系が山族、平家系が海族という血統から始まり、日本の時代の変革の起因として螺旋プロジェクトの一冊となります。 前時代の月人壮士が天皇系が山族、今回は徳川系が山族。主流は山族なのかな?鬼仙島に蒼い目の部族が隠れて住んでるみたいだし。 最後の武士は、海族の西郷隆盛。彼は、もののふの国を滅ぼし未来の日本の為に戦う。 もののふの歴史そのものを螺旋と捉えて描くところがおもしろいなと思いました。

Posted byブクログ

2022/12/22

源平、南北朝、戦国、幕末――この国の歴史は何者かに操られている。武士の千年に亘る戦いを一冊に刻みつけた驚愕の歴史小説。特別書き下ろし短篇収録。

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