昭和史の核心 の商品レビュー
筆者は、日本人のアイデンティティは実利主義で、 1. 鎖国時代に対外戦争を経験しなかったことで、共同体の中で生まれて死ぬまでそのルールを守っていれば過ごせた点、 2. 現世ご利益的で、自分たちの農村共同体を壊さないための知恵としての損得勘定が培われてきた点、から培われているとして...
筆者は、日本人のアイデンティティは実利主義で、 1. 鎖国時代に対外戦争を経験しなかったことで、共同体の中で生まれて死ぬまでそのルールを守っていれば過ごせた点、 2. 現世ご利益的で、自分たちの農村共同体を壊さないための知恵としての損得勘定が培われてきた点、から培われているとしている。 このあたりは最近読んだイザベラ・バードの日本紀行にも同様の記載があった。 「日本人は西洋の文明を取り入れるが、その文明の根本となる宗教などの考え方には興味を示さない。まるで実は要るが木は要らないと言っているようだ。」 本書で、日本人はゴールのある目標を達成するのは得意だが、道なき道を先導するのは苦手と言われているが、耳が痛い話。 太平洋戦争では騙されたと言う人も多いが、騙される方にも物事を正しく判断する素養のないのではと言う。 最近の世界の風潮、例えば、ガソリン車と電気自動車、脱原発と再生可能エネルギー、自国保護主義と他国への侵攻、など、世の中の立派そうな事を言うものこそ、騙されずに真実を見極める必要がある。
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