大人の学参 まるわかり近現代史 の商品レビュー
書名が「まるわかり」となっているが、実際には近現代史を網羅的に説明したものではなく、近現代史の中で、いくつかトピックスを選択し、それについて、物語風に解説をしたもの。選択されているテーマは、「大航海時代」「パクス・ブリタニカ」「中国とロシア」「中東問題」「アメリカの世紀とベトナム...
書名が「まるわかり」となっているが、実際には近現代史を網羅的に説明したものではなく、近現代史の中で、いくつかトピックスを選択し、それについて、物語風に解説をしたもの。選択されているテーマは、「大航海時代」「パクス・ブリタニカ」「中国とロシア」「中東問題」「アメリカの世紀とベトナム戦争」等である。 また、本書の特徴の2つ目は、上記のテーマに沿った形で大学入試問題を掲げ、それに対して、説明・解説を加える形で書かれている点である。 既に40年以上昔の話になるが、私の高校時代は、社会科の科目は選択制であり、私は地理とともに、世界史を選択し、大学入試の社会科も、この2科目で受験をした。世界史は特に苦手でも得意な科目でもなかったが、やはりそれは、「暗記科目」として位置づけていたように思う。本書によれば、最近は少し変化があるようである。 2022年度から、18世紀以降の世界史と日本史を合わせて学ぶ「歴史総合」という科目が高校の必修科目になったようであり、また、その科目は、歴史の流れを重視して理解することになっているようであり、必ずしも「暗記科目」と位置づけられるものではないようだ。 上記に、本書のテーマごとに大学入試問題が掲げられていると記したが、その例を下記に引用する。 【例題引用】 世界の一体化は、モノ・カネや情報の移動と並んで、ヒトの移動(移民)が地球規模で展開されるなかで進んできた。ヒトの移動に関する以下の問いに答えなさい。 大西洋奴隷貿易は、16世紀から19世紀にかけて、強制的なヒトの移動として類を見ない規模に達し、1000万人以上が移動したとも推定されている。そのような大西洋奴隷貿易が、環大西洋世界の各地域の歴史にどのような影響をおよぼしたか、下記の三つの用語をすべて使って説明しなさい(140字程度) プランテーション 産業革命 低開発 【例題引用おわり】 これへの解答例は、下記のものが示されている。 【解答例引用】 奴隷の供給地となったアフリカ西海岸地方は、労働力の減少により低開発の状態におしとどめられた。また、奴隷を使った砂糖や綿花のプランテーションが展開した北米南部や西インド諸島では、経済の従属化が進んた。一方イギリスなど西欧諸国では、奴隷貿易により資本が蓄積され、産業革命の前提条件がととのった。 【解答例引用おわり】 現代社会を理解しようとすれば、その成り立ち・歴史を理解する必要があり、それは、単純に固有名詞を暗記すれば済むものではない。そういう意味で、「歴史総合」という科目の設定は良いことだと思うし、上記のような問題を解くために歴史を勉強することは、歴史の流れの理解に役に立つのだろうと思う。
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<目次> 第1章 奴隷・航海・ビートルズ~ヨーロッパ飛躍の秘密 第2章 「パクス・ブリタニカ」との付き合い方 第3章 中国とロシアの微妙な関係 第4章 中東問題の原点~パレスチナをめぐる世界史 第5章 アメリカの世紀とベトナム戦争 終章 海が結んだグローバル経済 <内容> 津野田先生の『まるわかり近現代史』の第2弾、近現代史編。いつものように、大学入試問題をベースに解説をしていくが、逆に考えると、「歴史総合」を教えるにあたって、この視点を持って教えるといいかもしれない。現在を意識しながら、教えられるといいと思う。
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大学の入試問題を糸口に、近現代の国々が、どうしてそのようになってきたか、今どうしてそのようなのかを流れで整理する。過去をもとに、今を考察する上で有益な一冊と言える。 …と同時に、世界史を全くやってこなかったので、勉強の必要性を改めて感じたしだい。
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すんばらしく面白い本だ。 やはり、現在も含めた時間・歴史は流れているんだな、と思い起こさせてくれる。
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【世界のニュースがよくわかる近現代史】有名大学入試では現代を考える重要テーマが勢ぞろい。意外と手薄な近現代史を、豊富な図版とともに楽しく学べる「大人の学参」。
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