モダン建築の京都100 新装版 の商品レビュー
京都の街は建築博物館。 京都の街を歩くと、何気なくおしゃれな洋館を見かける。明治からの歴史的建築物である。どこか和風な洋館がたくさんある。中を見物できるようになっているタイプもあるが、いまだに現役で使用されているものも多い。中は改装されて表側だけ残されていることもある。京都とい...
京都の街は建築博物館。 京都の街を歩くと、何気なくおしゃれな洋館を見かける。明治からの歴史的建築物である。どこか和風な洋館がたくさんある。中を見物できるようになっているタイプもあるが、いまだに現役で使用されているものも多い。中は改装されて表側だけ残されていることもある。京都といえば寺や神社のイメージがあるがしれないが、意外と古風なビルが街を彩っているのだ。まさにモダン。この本はそのようなモダン建築を特集した「モダン建築の京都」の公式本である。展示も面白かったし、この本からも様々な建築や地域のことを知ることができた。 建築の保存について書かれていたところで、その難しさを知る。近代や現代の建築が価値を認められていなかった頃に、建て替えてしまった例。価値は理解されていても、業務との兼ね合いで建て替えるしかなかった例。たとえ移築して保存されたとしても、建築はその長きに渡り存在した場所を含めての建築であるというのなら、移築もベストの手段ではない。とはいえ、老朽化や基準の変更で直さねばならない建築物は多い。所有者にとって使い方や費用は大きな問題であり、そこはどれだけ歴史的価値があると言われても折り合いがつかないこともあるだろう。狭い京都のことである。資金援助など保存と継続利用のために、動いていかないといけない。この記念展はそういうことに気付き、考えるきっかけとなった。
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