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恩送り 泥濘の十手 の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2024/08/01

「警察小説大賞」名前が変わって「警察小説新人賞」は読んでいるつもりだったが、本作だけ読んでなかったので拝読。本賞受賞作は本当にハズレがなく粒ぞろいで、本作も然り。主人公おまきの子分2人の超常能力はやりすぎだとは思ったが、江戸の街が浮かび上がるような描写力の上手さと登場人物の造形の...

「警察小説大賞」名前が変わって「警察小説新人賞」は読んでいるつもりだったが、本作だけ読んでなかったので拝読。本賞受賞作は本当にハズレがなく粒ぞろいで、本作も然り。主人公おまきの子分2人の超常能力はやりすぎだとは思ったが、江戸の街が浮かび上がるような描写力の上手さと登場人物の造形の上手さは、とても新人賞なんてレベルではない。完成の域に入っており安心して堪能できる。他作品も読んでみたい。

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2024/06/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2024.6 何もかも要素を完璧に揃えすぎて読後感は今ひとつ。狙ったところも透けて見える感じ。ただストーリー運びや表現はスムースで良く出来た小説できた。優等生な小説です。

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2024/04/08

難しい言葉や言い回しはありますが、時代小説にしては読みやすい文体で書かれています。 おまきと亀吉と要のトリオの結束が強くて微笑ましい。シリーズ化してくれたらいいのに。要ちゃんメインのスピンオフ物も読んでみたい。 江戸の時代の親子愛がテーマですね。 いつの世も変わらぬ親子愛ですが、...

難しい言葉や言い回しはありますが、時代小説にしては読みやすい文体で書かれています。 おまきと亀吉と要のトリオの結束が強くて微笑ましい。シリーズ化してくれたらいいのに。要ちゃんメインのスピンオフ物も読んでみたい。 江戸の時代の親子愛がテーマですね。 いつの世も変わらぬ親子愛ですが、縁起が悪いと言うだけで「子捨て」が当たり前の風習として存在することが、いささか不快でした。ヒノエウマの年に生まれた女児は男を食い尽くすだとか、双子は縁起が悪いとか。まぁ時代なので仕方ないことですが。

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2024/01/14

おまき、亀吉、要のトリオが最高!ムチャクチャ良かった。同心の飯倉もいいわ。ぜひ、シリーズ化して欲しいものだ

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2024/10/16

 一本気で正義感の強い岡っ引きの父と、気丈でしっかり者の母のもとで育った娘、おまき。ある事件の探索中に消息を絶った父の行方を追って、江戸で相次ぐ放火事件に挑む16歳のおまきの活躍を描く時代ミステリー。   第1回警察小説新人賞受賞作品。           ◇  この1年ほどの間...

 一本気で正義感の強い岡っ引きの父と、気丈でしっかり者の母のもとで育った娘、おまき。ある事件の探索中に消息を絶った父の行方を追って、江戸で相次ぐ放火事件に挑む16歳のおまきの活躍を描く時代ミステリー。   第1回警察小説新人賞受賞作品。           ◇  この1年ほどの間、江戸で頻発する放火事件。いずれも小火程度ですんでいる一連の事件の特徴に気づき、単独で調べを進めていた岡っ引きの利助が突如姿を消した。  利助を手下としていた同心の田村にも利助の行先に心当たりはないという。だが、そんな田村の物言いに、利助の娘のおまきは不信感を持つ。 16歳ながら利発で芯の強いおまきは、父に代わって事件を追うことで、自ら利助の行方を探すことにした。  おまきを輔けるのは11歳の少年2人。    亀吉という材木問屋の息子と、要という紫雲寺で暮らす盲目の少年だ。  3人は偶然知り合った飯倉という臨時廻り同心の手を借りて、事件の洗い直しを始めたのだが……。       * * * * *  子どもたちが事件を解決する。ジュニア小説やラノベではありません。しかもファンタジーでもありません。ちゃんとした大人対象の時代ミステリーです。  最初は、臨時廻り同心の飯倉が明智小五郎でおまきたちが少年探偵団という役回りかなと予想してから読みはじめました。  でもどうしてどうして。子どもたちが主となって事件解決に奔走する読み応えのあるミステリーでした。  サスペンスが軽めなのは構いません。子どもたちに生命の危険が及ぶのが苦手な自分には、この方がいいぐらいです。  そして少年探偵団のメンバーがまたよかった。   決断力があり、リーダーシップも備えたおまき。  見たものをそのまま瞬間的に記憶するというカメラアイを持ち、それを詳細な絵に起こせる画力のある亀吉。  盲目ながら嗅覚と聴覚に優れ、常に冷静で子どもとは思えぬ知識と洞察力を持つ要。  これだけのタレント揃いなら読んでいて楽しい。  子どもたちの活躍と成長が物語の柱なので事件の描写はどれも控えめです。  放火事件にしても殺人事件にしても、例えば『鬼平犯科帳』でよく描かれるような派手さはありません。つまり、おまきたちはそこまで剣呑な相手と対峙するわけではないということです。  子どもたち3人は、それぞれの特性を活かして事件を追ううちに自身の課題に気づき、新たな自分へと脱皮していきます。その姿を想像するだけで清々しい気持ちになります。  また、おまきに2つの決別を経験させるなどして完全なハッピーエンドにしなかったことで、人情物としての余韻も漂わせた作品に仕上がっていたのもよかった。  時代小説も大好きなので、こういう作家さんが出てきたことは、本当にうれしい。麻宮さんにはこれからも注目していこうと思います。

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2023/07/15

何気なく手にした本ですが、久しぶりにホッと心が暖かくなる作品に出会えました。次の作品にも期待しています。

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2023/07/05

第一回警察小説新人賞受賞作品とのこと。江戸時代の捕物帳も警察小説の部類に入るんですね。新人賞と言いつつ、文章がとても読みやすく、しっかりと江戸時代の捕物帳となっていて面白く読めました。何といっても亀吉と要の少年コンビが良き。良き過ぎて、正直、この小説の主人公は一体誰?状態。行方不...

第一回警察小説新人賞受賞作品とのこと。江戸時代の捕物帳も警察小説の部類に入るんですね。新人賞と言いつつ、文章がとても読みやすく、しっかりと江戸時代の捕物帳となっていて面白く読めました。何といっても亀吉と要の少年コンビが良き。良き過ぎて、正直、この小説の主人公は一体誰?状態。行方不明の岡っ引きの娘のおまきと、亀吉&要少年コンビ、同心の飯倉と、皆いいキャラなんだけど、背景を詰め込み過ぎて、キャラが大渋滞している感じ。もう少しテンポ良く物語が進めば、申し分なかったかな。とは言え、彼らのチームワークはとっても良かったので、捕物帳のシリーズとして使い続けていただけることを所望。

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2023/06/02

亀吉と要の特技がチート級で、主人公の頑張りが霞んで見えてしまったのが残念。 亀吉と要の関係性はとても良かった。

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2023/04/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

登場人物の設定が良く、それぞれのキャラがイキイキと描かれている。おまき、亀吉、要の江戸時代版少年探偵団のチームワークも素敵。シリーズにして、飯倉の息子も探偵団に入るとかも面白そう。 「人から受けた恩を、その人に返すんじゃなく別の人に送る。恩がぐるぐる廻ればみんなが幸せになれるんじゃねぇかな」この言葉は深い。私もそんなことができる人になりたいと強く思わされた言葉。 ひとつわからなかったことは、足を引きずって歩く人物が誰だったのかということ。わかる方がいらっしゃいましたら是非教えてくださいませm(__)m

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2023/02/11

Amazonの紹介より 付け火の真相を追ったまま、行方知れずになっている岡っ引きの父・利助を探す娘のおまき。 おまきを手助けする材木問屋の息子・亀吉、目の見えない少年・要、そして臨時廻り同心の飯倉。 手がかりは漆で塗られた謎の蓋のみ。器の身はどこにあるのか? いったいどんな器なの...

Amazonの紹介より 付け火の真相を追ったまま、行方知れずになっている岡っ引きの父・利助を探す娘のおまき。 おまきを手助けする材木問屋の息子・亀吉、目の見えない少年・要、そして臨時廻り同心の飯倉。 手がかりは漆で塗られた謎の蓋のみ。器の身はどこにあるのか? いったいどんな器なのか? もつれた糸がほどけずに四人が焦るある日、大川に若い男の土左衛門が上がったという。 袂から見つかったのは漆塗りの毬香炉。だが、妙なことに蓋と身が取り違えられていた。 身元は薬種問屋相模屋の跡取り息子・藤一郎で、のちに利助の遺した蓋と藤一郎が遺した毬香炉は一対だったと判る。 利助と藤一郎とを繋ぐ毬香炉は果たして誰のものなのか? おまきと三人は新たな手がかりを元に利助を探し出せるのか? 第1回警察小説新人賞受賞作! 一つ一つ手がかりを見つけながら解決へと導いていく描写は、丁寧でゆったり感がありました。 その分、躍動感やスピード感といった雰囲気はちょっとなかったように感じました。 警察小説ということで、まさか江戸時代とは意外でしたが、現代語よりの江戸弁を使いながらも、江戸ならではの雰囲気が漂っていて、世界観に浸れました。 ミステリーというよりは、人情を重視したドラマの印象があり、読了後はなんとも切なかったです。 父が行方不明ということで、もしかして・・といった、なんとなく展開としては想像がつく展開だったのですが、行方不明事件だけでなく、色々な出来事を含む様々な人間模様が描かれています。 丁寧に描かれている分、登場人物がみんな「生きて」いるかのように立体的に物語が作られていくので、安心感のような気持ちにもさせてくれました。 ただ、もう少しスピード感を増してくれたらよかったなと個人的に思いました。 題名の「恩送り」。感謝した人に恩を返すのではなく、別の人へ恩を渡すということで、恩によって紡いでいく人の縁は大切にしたいと思いました。

Posted byブクログ