天下人の日本史 信長、秀吉、家康の知略と戦略 の商品レビュー
なんで、天下が京都を指すことになったのだろう。 信長をつまらない人間にしたてあげようとして、 何がしたいのだろう。 と、最近の学説に不満をもっていたが、 本郷先生も同じ意見だった。 やっぱり、信長は天才。 だけど、信長一人でひっぱってきて、 かつ、誰でも才能ある人を用いてきたか...
なんで、天下が京都を指すことになったのだろう。 信長をつまらない人間にしたてあげようとして、 何がしたいのだろう。 と、最近の学説に不満をもっていたが、 本郷先生も同じ意見だった。 やっぱり、信長は天才。 だけど、信長一人でひっぱってきて、 かつ、誰でも才能ある人を用いてきたから、 妬み嫉みから裏切りも多かった。 そして、信長が倒れたら、また、世は乱れる。 秀吉は、信長の野望を引き継いで、 アイディアでさらに膨らませた。 最下層から上がってきただけに、人の心を 掴むことができた。 家康は、凡人だと本郷先生は考えようだ。 凡人だからこそ、強い組織を作ることができた、と。
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天才織田信長、アイデアマン豊臣秀吉、普通の人徳川家康。 本拠地を移動するのが異端というのは、土着性が強い日本人ならではなのかもしれませんね。 アメリカなどは普通に拠点を移します。植民地文化が影響しているのかも。
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知名度が高い人物を取上げながら、少し意外かもしれないような角度で、人物とその生きた時代を掘り下げて行くような内容で非常に興味深かった。 「天下人」とでも言えば「天下を統べる人物」という“一般名詞”のようではあるのだが、実質的には戦国時代の混迷を乗り越えた後に登場した、織田信長と豊...
知名度が高い人物を取上げながら、少し意外かもしれないような角度で、人物とその生きた時代を掘り下げて行くような内容で非常に興味深かった。 「天下人」とでも言えば「天下を統べる人物」という“一般名詞”のようではあるのだが、実質的には戦国時代の混迷を乗り越えた後に登場した、織田信長と豊臣秀吉、そしてその後の徳川家康というような限られた人達を指し示す“固有名詞”という感じもする。 有名な戦国大名は、結局は自身の本拠地を容易に換えることはなく、支配領域の拡大も、飽くまでも本拠地の防衛という目的であった。これに対して、「天下布武」という印を用いて“天下人”たる希望を打ち出した織田信長は、支配領域の拡大に合わせる、並行するようにドンドン本拠地を換えた。こういうようなことを含めて、この戦国時代末期の「天下」なるものに関することが、存外に紙幅を割いて論じられている本書である。これが一寸面白かった。 その「“天下”とは?」を最初に据えて、「天下人」という話しになると登場する、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という所謂「三英傑」に関して、「気になる?」というような要点を論じている。これが「様々な史料に触れて考察する限り…」という“適当な解”を示す感で、悉く興味深いのだ… 歴史を学ぶというのは、年号や人名や出来事の名を覚えるというようなことではないと思う。本書のように、伝えられる出来事の背景や、何故にこういう伝わり方なのかを考えるということを考え、踏み込んで「自分たちが生きている時代の様相は何なのか?」を問うて、考えるという営為が「歴史を学ぶ」という事なのだと思う。史料に触れて論じるという事を地道に続けるという背景を有しながら、史上の様々な事象に関して語るという、本書の筆者の“立ち位置”というようなモノが少し面白いようにも思う。 少し面白い読み物に出くわした満足感に溢れている。本書は御薦めだ!
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