スケール(上) の商品レビュー
24.07.07 会社の若手ワーキングにて、会社の未来を話し合うことがあった。ランダムに集められた5人でのグループワーク。設計部の若い人が「複雑応答系」という言葉で組織の将来像を語っていて、その出典を聞くとこの本であり、早速読んでみることにした。 最初に言いたいのは、「複雑適応...
24.07.07 会社の若手ワーキングにて、会社の未来を話し合うことがあった。ランダムに集められた5人でのグループワーク。設計部の若い人が「複雑応答系」という言葉で組織の将来像を語っていて、その出典を聞くとこの本であり、早速読んでみることにした。 最初に言いたいのは、「複雑適応系」じゃねーか! この本は人間を含む生物や、人間が作り出す都市に、物理・数学的な視点で定量的な法則を見出す試みをしている。それは定性的な建築学における都市研究や都市社会学研究とは一線を画す、都市への新たな視座を与えてくれている、と都市計画を仕事にする者として感じた。 表面積と体積の次元の違いから、ゴジラは存在できないというわりとキャッチーな話題から入る。これは、建築を勉強した身としては、断面2次モーメントなどを思い出す。 いくつかの議論は読んでいるときは分かったような気になるが、今ここに書くことはできない程度に理解できていない。 ハッとしたことは、僕たちはものごとは線形で増加していくようなイメージをつい抱いてしまいがちだが、本当は超線形的な変異をするということだ。指数関数的成長をコップの中の細胞の例えで語る変化のスピードは本当に恐ろしく、環境問題はまさに今取り組まないと手遅れになると感じた。
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