ホーンテッドクラブ(1) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
百々はバスに乗り祖母の住む町を目指していた。しかし、バスは謎の藁人形、五寸釘に支配されてしまい、呪いのサバイバルゲームに参加する羽目になってしまう。心霊スポットで行われるゲームを百々はクリアすることができるのだろうか? *** 3月に読了していた一冊。バスに乗り合わせた8人が呪いのサバイバルゲームに参加させられてしまうといったストーリー。命がかかわってくるのでデスゲームという事でいいのだろうか。(最近デスゲームばっかり読んでいる気がする)登場人物が8人出てくるのだが、それぞれが結構キャラが濃い。 濃いというかそのうちの半分以上が人間性にやや問題がある(自己顕示欲丸出しの中学生Youtuber、打算的で他人を利用し、切り捨てることを厭わないモデルなど)と感じる人たちで、それだけでイヤーな気分に。 そのほか五感が鋭い主人公、陰陽師見習い、元拝み屋の息子など主人公サイドで出てくる登場人物は結構キャラが立っていて面白かった。 主人公サイドの登場人物たちは自分たちの特技を駆使して協力し合い、ゲームをクリアしようとするのだが、他の登場人物たちが足を引っ張りまくるのでモヤモヤ。 ゲーム終了条件が、最後まで生き残るかこのゲームが開催される原因となった人物がゲームから脱落するというものなので、仕方ないといえばそうなのだろうが、自分以外を蹴落としてやろうという算段が見え見えなのでかなりフラストレーションが溜まった。(特に中学生Youtuberとモデルが最悪だった) さて、登場人物たちのアクの強さへのコメントはそれぐらいにして、内容であるが、個人的に結構怖かったと思う。この作者さんの怖い話結構容赦ないよね、児童書なのに!といつも思って読んでいる。 心霊スポットで命がけの呪いのゲームをするというのがすでに悪趣味で怖すぎるが、ゲーム自体も結構怖い。真っ暗な廃トンネルで行われるだるまさんが転んだ(ゲームオーバーになると幽霊に憑りつかれるというおまけつき)。廃墟の旅館でのひとりかくれんぼなど心霊スポットにうまく都市伝説や洒落怖ネタなどをうまく絡めていて、二倍くらい怖い。特に、廃墟の旅館でのひとりかくれんぼが怖かった。廃旅館に落ちていた人形でひとりかくれんぼをするだなんて、一生分のバチが当たりそうだ。 多数の脱落者を出しつつ、ゲームをクリアしていく登場人物たち。そして、百々の鋭い推理力から無事原因となった物を導き出し、ゲームから解放された百々達だが、ゲームを主宰していた五寸釘の口ぶりからするとまだ、彼との最悪な付き合いは続いていきそう。聡い百々達は再び呪いのゲームが起きること危惧し、五寸釘に立ち向かうためのチーム「ホーンテッドクラブ」を結成することに。次回もまた彼らの特技を生かした活劇が見られそう。 五寸釘の正体も、ゲームを主宰するに至った動機も気になるので、続きがかなり楽しみなシリーズである。 まだ詳細が出ていないようなので、首を長くして待つことにする。
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