文明と野蛮が交錯するとき の商品レビュー
第2章の温和型文明の軍事アレルギーという箇所に目がとまりました。結論的には、こうあってはならないという主張には同感です。ただ、そのためには、・・・・・・? というところは、私自身も問題意識としてはもっているつもりです。 こんなことを考えながら、新聞記事を整理しておりますと、12...
第2章の温和型文明の軍事アレルギーという箇所に目がとまりました。結論的には、こうあってはならないという主張には同感です。ただ、そのためには、・・・・・・? というところは、私自身も問題意識としてはもっているつもりです。 こんなことを考えながら、新聞記事を整理しておりますと、12月5日付日経OPINION欄の芹川洋一フェローの論考「令和の国難に防人の備え」です。 今の状況(ロシア、北朝鮮、中国)をいわゆる「国難」と捉え、歴史上の国難への対応の教訓に学ぶべきと論じるものです。633年の白村江の戦いで唐・新羅連合軍に大敗したこと、1274年の蒙古襲来、1853年の黒船来行からの約半世紀を取り上げ、それぞれの時期に国をあげて懸命の国防努力をしている。 古代の防人、中世の御家人、明治の人びと……先人たちは涙ぐましい努力でふんばった。令和の国難に必要なものもまた、それぞれの立場で負担を受け入れる覚悟と気概のはずだ。そして国難を回避するための政治指導者たちの力量だ。今の日本は果たして大丈夫だろうか。と結んでいます。 憲法9条にかかわらず、自衛権(集団的自衛権まで認めるかどうかはともかくとして)が正当化されるのは当然ですし、現在政府与党で行われている議論もその限りでは大いにやってほしいものですが、肝心の防衛費増額の問題が、国民的議論の焦点になり得ていないところが、なんとも言えない歯がゆさを感じるところです。
Posted by
- 1