奇妙なものとぞっとするもの 小説・映画・音楽、文化論集 の商品レビュー
友人が貸してくれたので読了。 いくつかの小説や映画とラカンやフロイトの精神分析が資料として取り上げられていたためそちらを読んでからの方がよりこの本を楽しめるだろう。 この本では「ゾッとするもの」について主にホラーに焦点を当てて解説していたが、私は素晴らしいものをみた時の「ゾッとす...
友人が貸してくれたので読了。 いくつかの小説や映画とラカンやフロイトの精神分析が資料として取り上げられていたためそちらを読んでからの方がよりこの本を楽しめるだろう。 この本では「ゾッとするもの」について主にホラーに焦点を当てて解説していたが、私は素晴らしいものをみた時の「ゾッとする」もこれに近しいのではないかと思った。鳥肌がたつのは自分を大きく見せるためという説があるように何か異変を感じた時に人は「ゾッとする」のであれば感動も恐怖も似たようなものなのではないかと私は思う。
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小説・映画・音楽における「奇妙なもの(the weird)」と「ぞっとするもの(the eerie)」という二つの情動を論じた本。そもそもweirdとeerieのニュアンスの違い(それ以外にもstrangeやuncannyという似たような言葉もある)がわかっていなかったので読み始...
小説・映画・音楽における「奇妙なもの(the weird)」と「ぞっとするもの(the eerie)」という二つの情動を論じた本。そもそもweirdとeerieのニュアンスの違い(それ以外にもstrangeやuncannyという似たような言葉もある)がわかっていなかったので読み始めるに当たって少々面食らったのだが、それは読んでいく内にわかるようになっているので心配はいらない。奇妙なものとは何にも属していないものでありラブクラフトの小説に代表される。ぞっとするものとは行為主体の問題でありその不在であったり正体不明性の問題である。その著者の意見には納得させられる部分も多く、良い読書体験であった。ただし小説や映画の評論である以上、元ネタを多く知っていれば知っているだけさらに楽しめるのは自明の理であり、私の楽しめ度は50%くらいかもしれない。
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