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バドミントン 聖ウルスラ学院英智高校[男子部]式メニュー の商品レビュー

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2024/02/25

バドミントン部の顧問をしている。自分自身、一応バドミントン経験者なので、これまで自分が習った経験に即して適当に指導してきたが、限界を感じたので勉強用に買った。 バドミントンに限ったことではないが、スポーツ関連の入門書というのは難しい。そもそも、本で読んで勉強するくらいなら、もっと...

バドミントン部の顧問をしている。自分自身、一応バドミントン経験者なので、これまで自分が習った経験に即して適当に指導してきたが、限界を感じたので勉強用に買った。 バドミントンに限ったことではないが、スポーツ関連の入門書というのは難しい。そもそも、本で読んで勉強するくらいなら、もっと格上の経験者やコーチ、指導者に話を聞いて、体を動かした方がよい。今回読んでみて、あくまで経験上の課題や問題意識を持ったうえで読むことが大切だと改めて思った。 この本の良いところは、ダブルスとシングルスのそれぞれに、指導者として持つ大きな「指導方針」が示されていることだと思う。 両者に共通している方針は、「上から叩く」ということ。あくまで、スマッシュ、アタック、プッシュを中心とした攻撃して勝つことを目指す。そのため、ダブルスもシングルスも、練習メニューが、基礎編と応用編に分けられているが、基礎編での素振りは、基本全て、スマッシュ、アタック、プッシュのみである。球を下で取ることなく、上で取る。この考えが、全メニューを通して一貫している。 逆に、ダブルスとシングルスの違いは、「自分たち自身の戦術」を大切にするか、「相手への対応」を大切にするかだという。 ダブルスでは、「より高く、より速く、より前で」を合言葉に、球をさばくことを重視している。トップアンドバックのフォーメーションを維持し、自分たちの攻撃ターンをキープすることで叩くバドミントンである。 一方、シングルスでは、「相手の苦手なところ打つ」を合言葉に、相手を観察し、相手を動かす技術を重視する。シャトルの落下地点に素早く入り、多彩なショットを打つテクニカルなバドミントンである。 目指すバドミントン像があるからこそ、何のための練習かが分かりやすい。ショットの種類や細かい技術、練習メニューをただ羅列的に並べただけの入門書ではなく、指導者としての哲学を感じる。 こうした本を読むと、逆に「拾うバドミントン」を目指す練習メニューって、どんなメニューだろうと考えてしまう。「上から叩くバドミントン」というコンセプトは、取り上げられているのが、男子部であることも大きいかもしれない。 また、こうした一貫性のある「バドミントンの考え方」に触れると、基礎打ちでのショットの解説なども、見え方が変わってきそうに思う。 どんなバドミントンをするのか。ただ、細かい技術的向上を目指すのではなく、大きな勝ち方のビジョンを持って練習することの大切さや、漫然とやってきた自分の考え方の癖を知るうえでも、読んでみていい本だと思う。

Posted byブクログ