箱舟に8時集合! の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ノアの箱舟を題材にしたユーモラスな物語。個性的なペンギン3匹とハト1匹に、最初から最後までクスりと笑わされて、飽きることなく楽しく読める。楽しくゆるい雰囲気のイラストもいっぱいで、会話も多く、読みやすい。 どの動物も2匹まで箱舟に乗れると聞いて喜ぶペンギン2匹が、けんかしたばかりのチビペンギンのことを思う場面はほろり。チビペンギンをスーツケースに入れて箱舟に乗り込むことで、それを怪しむハトとの攻防が始まる。このスーツケースをめぐって、物語は面白おかしく進行していく。 ついにハトがスーツケースを開けるように迫るとき、スーツケースの中から「神」の声が聴こえてくる。この物語をいちだん深いものにしているのは、この場面の会話。 信仰とは何かということが、子どもにもわかりやすく、クスクス笑ってしまうような面白さの中に包まれる形で語られる。
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物語の形になっているが、読んでいて芝居みたいだなと思ったらやっぱり元は芝居だった。 雨や風、波の音で航海を表現できるし、空間は閉ざされている。登場人物は(ちょっとだけ出るノアと蝶を除き)四人(鳩一羽とペンギン三羽だから4羽)しかいない。 芝居だったら、ペンギンたちとハトの会話やド...
物語の形になっているが、読んでいて芝居みたいだなと思ったらやっぱり元は芝居だった。 雨や風、波の音で航海を表現できるし、空間は閉ざされている。登場人物は(ちょっとだけ出るノアと蝶を除き)四人(鳩一羽とペンギン三羽だから4羽)しかいない。 芝居だったら、ペンギンたちとハトの会話やドタバタが笑えたと思うし、神についての問答も面白かったと思う。ジェンダーフリーな描き方も現代的。 しかし、児童書としてこれが日本の子どもにどこまで通じるかは疑問。この笑いは初心者向けじゃないというか。神をまず信じ、長じて疑問を感じるようになったくらいの子どもはキリスト教圏には、この本の作り通り9歳くらいからいるだろうけど、日本の場合キリスト教信者も少ないから、「まず信じ」で躓いてしまう。読めてもよくわからないんじゃないか。箱舟(って表記も珍しいかも。箱船か方舟が多いように思う)の話自体知らない子どもも多いだろうし。 ノアの方舟なら、他の動物も見たいよねー。
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ある日ノアの箱舟に乗ることになったペンギンたち。選ばれたのは2羽。でもこちらはいつも3羽一緒。世話役のハトにばれないように、さてどうするか。ノアの方舟をベースにしたとても愉快で楽しいお話。でも深いんだこれが。神様、命、多様性、ジェンダー。さりげなく哲学的。でも楽しく。さすが岩波書...
ある日ノアの箱舟に乗ることになったペンギンたち。選ばれたのは2羽。でもこちらはいつも3羽一緒。世話役のハトにばれないように、さてどうするか。ノアの方舟をベースにしたとても愉快で楽しいお話。でも深いんだこれが。神様、命、多様性、ジェンダー。さりげなく哲学的。でも楽しく。さすが岩波書店。
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子どもに向けた本なのかも知れないが、しょっぱなから最後まで考えさせられるのでとても面白い。 全年齢対象の良本です。
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息子8歳5か月 息子が喜びそうな本を図書館から借りてきて読み聞かせ…最近は息子が一人で読みます。作品によってはボリュームたっぷりでも読む。母はサミシイ。 〈親〉 絵が好き ◯ 内容が好き ◯ 〈子〉 読んだ◯ 何度も読む(お気に入り) ◯ その他 文字数が多いのでまだ息子...
息子8歳5か月 息子が喜びそうな本を図書館から借りてきて読み聞かせ…最近は息子が一人で読みます。作品によってはボリュームたっぷりでも読む。母はサミシイ。 〈親〉 絵が好き ◯ 内容が好き ◯ 〈子〉 読んだ◯ 何度も読む(お気に入り) ◯ その他 文字数が多いのでまだ息子には早いかな、と思ったのですが、渡してみたら意外にも何度も読んでいました。 (全部きちんと読んでいるかは微妙) ただ息子が好きな、動物が主人公のお話なので、違和感なく読むことができたのだと思います。 物語は、箱舟にのる動物たちのお話。争いごとがたえない地上の人間たちに絶望した神様が大洪水を起こし、それからのがれるために動物たちが箱舟にのります。 主人公は3羽のペンギン。 でも箱舟にのることができるのは2羽だけ。 残りの1羽はどうなる? 動物たちの軽妙なやりとりの中に、 神様の存在とは?他者を思いやる心とは? など、深い問いかけがされています。 なんとも奥深い作品。 オススメです。
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