ドラゴンランス レイストリン戦記(4) の商品レビュー
うん、面白い。 あまりの面白さに、以前書いた3巻の感想を編集し直したくらいで、ここでも改めて書きます。3巻で、ちょっとなぁと思った方も、そこで止めずに、是非最後まで読みましょう。確実に後悔します。 そう実感すると、3巻はちょっと勿体ないなとも思ってしまうのだが。 という...
うん、面白い。 あまりの面白さに、以前書いた3巻の感想を編集し直したくらいで、ここでも改めて書きます。3巻で、ちょっとなぁと思った方も、そこで止めずに、是非最後まで読みましょう。確実に後悔します。 そう実感すると、3巻はちょっと勿体ないなとも思ってしまうのだが。 というか、ここまで上手いこと、それぞれのストーリーが交差することってある? と思うくらい、「ドラゴンランス戦記」の前日譚として、後から考えて加えました感が全く無い、見事なストーリーテリングは、戦争の儚さ、冒険の緊張感、大敵とのバトルの昂揚感、個性的な新キャラクター、それぞれの成長と、申し分ない素晴らしさです。 それは、序盤の 『ホープス・エンドの人々は、自分たちの死には少なくとも何かの意義があるはずだと思っていた』 から、読者の心を鷲摑みにし、そんなことは決してあってはならないと、レイストリンやキャラモンも所属する、男爵率いる部隊に期待を寄せたくなる心境へと駆り立てる中、男爵自身の、人を率いる者の負う重荷や、何を最優先するかを分かっている、その姿からは、決して狂男爵と呼ばれているのが、マイナスなイメージだけでは無いことが分かり、その人柄の良さは読んでいく内に、私の中では、またどこかで登場してほしいと思わせる程で、終盤の完全に意表を突かれた、あの戦いも印象的だった。 また、メインキャラの成長を感じさせるものの一つとして、先に挫折感を味わわせる書き方には、とても説得力があり、それは、初めて本格的な戦場を体験したキャラモン、偶然の出会いから自らの宿命に怖れを抱くレイストリン、初めて震えるほどの恐怖を味わったキティアラと、三者三様で悩み苦しむ中、それでも、それぞれに答えを見出していく姿には、きっと勇気をもらえる方もいるのではと思われる中、キティアラについては、「戦記」だけではおそらく感じ取れなかった、彼女の中にある複雑な感情や譲れないものの素晴らしさを知り、そこにあったのは父や弟たちへの思いであったり、更には彼女独りで生きていく為のポリシー、『何かをやると決めたらやり遂げる』に込められた、確固たる精神力に、とても心を打たれただけに、「伝説」のあれを予見させる出来事はやるせないものがあり、こうして見ると、彼女は決して完全な悪では無いこともよく分かる。 そして、私が本書を☆5にしたのは、ストーリーの素晴らしさ以上に、レイストリンの描き方にあり、それは、『生まれて初めてというくらいに気分がよく、活力にあふれ、生きることに関心が向いていた』からも分かるように、こんなに活き活きとしたレイストを見たのは初めてで、おそらくそれは、いちばん彼の性格をよく分かっているホーキン師の、ひねくれながらも温かい言葉が大きく影響しているのだろうと思い、それらが、レイストに「自分のこのひねくれた性格はいったい何なのだろう」と自ら考えさせるきっかけになり、それが、まさかのキャラモンに謝る姿や、部隊で自ら志願して行動に出ることにも表れている中での、○○○○○○との共闘の素晴らしさも加わった、あのバトルは、これまでの彼の中でもベストバウトなのではと思うくらい、私も、彼のこんちくしょうという真っ直ぐな思いに気持ちが乗り移ったくらい夢中になると共に、彼を大きく成長させた、その場面は頭に映像が浮かぶような輝く臨場感があり、とても感動的だった。 更に、それに加えて、彼の中にある本来の優しい一面には、より心を打たれ、それは敵とはいえ、眠らせてしまったことを気にかける様子や、負傷者に対する彼の眼差し、『苦しむとはどういうことなのか、ぼくは知っている』や、『痛みを感じるとはどういうことなのか、知っているんだ』に、よく表れており、後に「戦記」や「伝説」で見られた一面だけが彼の全てでは無かったことを、改めて私に教えてくれて、彼の人生にはここで垣間見られたような、生きていることへの充足感を覚えていた日々もあったということを、彼の歴史の一ページに加えた事は、きっと彼本来の人間性だって、周りにいる人達と何ら変わることはなかったのだし、もう二度と「陰険男」なんて呼ばせない、その全てに熱中していた、素晴らしき若者の青春の日々を描いてくれたことで、きっと、これ以後の彼も報われたのだと思い、それが私にはこの上ない喜びであった。
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「あらゆることは、何かの理由があって起こる」 運命の双子とその姉の物語は三者三様の生き方を鮮明にしつつずんずんと進んで行きます 飯尾和樹それはずん(いらない) 物語を読み進めながら自分は三人の中だったら誰タイプかな?なんて考えるのも面白そう 自分は完全に何も考えてないキャラモン...
「あらゆることは、何かの理由があって起こる」 運命の双子とその姉の物語は三者三様の生き方を鮮明にしつつずんずんと進んで行きます 飯尾和樹それはずん(いらない) 物語を読み進めながら自分は三人の中だったら誰タイプかな?なんて考えるのも面白そう 自分は完全に何も考えてないキャラモンタイプです さてシリーズ4巻はまさに本編につながる戦いが描かれております こんなんがあったんだ!が満載です そして茶色のローブのホーキンス師も相変わらずかっこいいし、とにかくレイストリンのことをよく見てるんよね 全てを見知った上で甘やかさず、ここぞと言うときには褒めて更なる成長を促す 良い先生の定義ってのは今の時代の日本もドラゴンランスの世界も同じなようです 最後にたださんに向けてあとがきにあったビックニュースを 2022年8月にマーガレット・ワイスとトレーシー・ヒックマンのコンビが復活し『欺きのドラゴン』が発刊、新シリーズが始まっております!舞台はドラゴンランス戦争真っ只中、ええーあの激しい戦いの裏でこんな物語ご進行してたの?!って感じらしく、どうやらまたしてもタッスルが物語の鍵を握る存在のようですぞ! うーん、邦訳早う!!
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レイストリン戦記第二巻。 いよいよ戦場に出るマジェーレ兄弟。 軍隊の本隊とは異なる行動をとるあたりがRPG的な演出だと思ったり。 キティアラの冒険も描かれるが、総じて皆若く、善良さや素直さがまだ幾許か残っている。 考えてみれば戦記の一巻より若いのだから。
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『レイストリン戦記』完結編。図らずもドラゴン軍の友軍となった双子と、運命を左右する異父姉の決断を描く。 上巻までにため込んだ物語のダムが開放され、魔法アイテムの活躍や大型モンスターとの対決、探索や亡霊、攻城戦や一騎打ち?などなど、ファンタジーの魅力が一気になだれ込んでくる圧巻の...
『レイストリン戦記』完結編。図らずもドラゴン軍の友軍となった双子と、運命を左右する異父姉の決断を描く。 上巻までにため込んだ物語のダムが開放され、魔法アイテムの活躍や大型モンスターとの対決、探索や亡霊、攻城戦や一騎打ち?などなど、ファンタジーの魅力が一気になだれ込んでくる圧巻の下巻。 双子と異父姉それぞれの成長物語が丁寧に描かれているのと同時に、やがて来る竜槍戦争の先触れともいえる戦いが壮観で、多様な読み応えに大満足だ。 〈寸借屋〉に劣らぬ活躍をみせた“狂男爵”が魅力的。ある意味で本巻の‘表の’主人公ともいえるのかも。そして終盤であの教官が語るまさかの名言、思わずメモりました!(笑)。各新キャラがここまで最高に映えるのもすごい。 『戦場の双子』はもともと執筆予定になかった作品らしく、レイストリン半生記といえる『魂の剣』とはまた違った面白さとなっている。ドラゴンランスらしい壮大な叙事詩的顛末に収束していく流れには夢中になった。前日譚として、本編につながっていくラストの収まり具合も見事。2022年から本国でスタートしたという新シリーズにも期待が高まる。
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