浮寝鳥 の商品レビュー

春日いと(著者)

2023/12/12

気がついたらいつのまにかホームレスになっていた66歳の水澤十和子さん。

仕事をしたいと思っているのに住むところがない。
アパートを追い出される前には、なんとかしようともちろん、都営住宅も市営住宅も申し込みもしたけれど、不動産屋に足を運んではみたけれど…。
格安の住まいはなく、気がつけばホームレス。

何度か公務員の永山くんに声をかけてもらったり、本田議員にも話しかけてもらっては、生活保護を受けるように言われたが、頑なに拒む十和子さん。

クリスマスイブには、若い男からショートケーキをもらったけれど、不動産の事務員さんにモスグリーンのショールをもらったけれど、本田議員に演説の間に待っていてと五千円札をもらったけれど。

クリスマスには彼女は…。

彼女の欲しいものは何だったのだろう。

いろんな思いが交錯する。
孤独で悲し過ぎる結末。