不安なモンロー、捨てられないウォーホル の商品レビュー
過去の偉人12人の特性を、もし(あるいは、あえて)現代医学で診断した場合の病名と、それを踏まえた医学的な見地から本人たちの生き方と偉業を考察する一冊。 病状名に溢れる今日では、特に心因的なものにおいて誰しもが患う者として診断されるように思える。一般的にも身近な世界においても。 ...
過去の偉人12人の特性を、もし(あるいは、あえて)現代医学で診断した場合の病名と、それを踏まえた医学的な見地から本人たちの生き方と偉業を考察する一冊。 病状名に溢れる今日では、特に心因的なものにおいて誰しもが患う者として診断されるように思える。一般的にも身近な世界においても。 そのような病状名というのは、その診断結果が患者にとっては克服あるいは共存するための希望であって欲しいと願う。他人に対するヘイトとしてそのような病状名が用いられている節があるのは残念に思う。 この一冊は、苦しみや葛藤を抱く人を勇気づけると思う。歴史の教科書では偉人として知った人物にも、今でいうところの病的な特性とそれに伴う深い苦しみや葛藤、生きづらさがあったことを知れるからだ。 アスペルガーと診断された人が社会運動を行う際に着用するTシャツに記されるというメッセージが本書の最後の方で紹介されていた。端的に言い表した見事な言葉だと思う。 「壊れていないものを直すことはできない」
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精神障害は遺伝と環境による。本書では割りと遺伝が強調されている。偉人を通じて障害を学ぶ形。興味のある人だけを読んだが取材が行き届いていてどれも面白かった。ハワード・ヒューズの強迫神経症の章がとくによい。億万長者の脅迫行動はとめることができず周りを従わせてしまう恐ろしさがある。
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精神的な辛さを抱えながらも生きてきた偉人の意外な事実に触れることができました。「至らない自分でもいいんだよ」という自分を許す気持ちと、これまで健気に生きてきた自分自身が、いとおしく感じる気持ちを貰いました。
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インスタの広告で見つけた一冊です。 表紙とタイトルに惹かれて購入しました。 帯は、 ------------------------- マリリン・モンローは境界性パーソナリティー障害、 アンディ・ウォーホルはためこみ症、 ダイアナ妃は過食症で、リンカーンはうつ病……だった? 華...
インスタの広告で見つけた一冊です。 表紙とタイトルに惹かれて購入しました。 帯は、 ------------------------- マリリン・モンローは境界性パーソナリティー障害、 アンディ・ウォーホルはためこみ症、 ダイアナ妃は過食症で、リンカーンはうつ病……だった? 華やかな功績の裏にあった、 生きづらさ。 歴史上の人物を、現代医学のレンズを通して追う。 ------------------------- 当時は診断名がつかなかった行動や苦悩が、 現代医学で診ると本当は病名がつくのではと、 偉人達のエピソードを交えて、 言動の背景には、 病が隠されていたのでは、と語っています。 冒頭に書かれているように、 レッテルを貼ることにもなりかねない、 という懸念も確かにありますが、 限られた資料等のなかで導き出すことと、 私にとっては歴史上の人物(ある意味フィクション)が 実は人間味があって、弱さがあって、 苦悩し葛藤していたことに、何だか親近感が湧きました。 ダイアナ妃は運命に翻弄され、 読んでいて胸が苦しくなりましたし、 ベティフォードは2011年まで生きていた方で、 なんで知らなかったんだろう、と思います。 本書を読むまで知らなかったけど、 読んだら忘れられないのは、 ハワードヒューズ(強迫性障害) ジョージガーシュウィン(ADHD)です。 二人ともタイプは違うけど、印象的でした。 ひとりはとにかく苦しくて狂気と恐怖、 ひとりはとにかく忙しくて陽気な印象です。 翻訳の本て、個人的に好き嫌いというか、読みやすい読みにくいがあるのです。 本書は、著者も訳者も登場する人たちに対しての愛情、好意のようなものを感じて、読み進める手が止まりませんでした。 伝記になっていたり、歴史の教科書に出てくるような人で、イメージしかなかった人たちが、本当に人間として生きていたんだ、と思わせてくれる一冊です。
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