極地探検で立証される 人体の限界 の商品レビュー
『極地探検で立証される人体の限界』では全然ない看板に偽りありの本。「高温、極寒、低酸素……過酷な環境に置かれたとき、人体に何が起きるのか」という煽り文句は読まずにつけたか、本を手にとる人を騙そうと思ってつけたとしか思えない。 正確には、ヨーロッパ人があちこちに拡張する過程で発...
『極地探検で立証される人体の限界』では全然ない看板に偽りありの本。「高温、極寒、低酸素……過酷な環境に置かれたとき、人体に何が起きるのか」という煽り文句は読まずにつけたか、本を手にとる人を騙そうと思ってつけたとしか思えない。 正確には、ヨーロッパ人があちこちに拡張する過程で発展した医学、生理学の歴史を紐解く本で、高山病の原因に迫るさまを論文や科学者の研究活動から追ったり、科学者や探検家の系譜、ネットワーク、知識の伝播について解説したりする。拡張が純粋な学術的好奇心からではなく、植民地獲得に付随するものだったり、経済的、軍事的な意図があると指摘する。また、シェルパやイヌイットなどの現地住民の知恵や協力がないがしろにされたり、女性研究者がいなかったように扱われたことにも言及されている。 科学史が知りたくて読んだら面白いのかもしれないが、「過酷な環境に置かれたとき人体に何が起きるのか」知りたくて読むとかなり退屈だし、内容が期待外れで怒りすら覚えた。 完全に本書とは関係がないけれど、長々書いていた本書のレビューが消えてしまったことも腹立たしく、怒りの☆2つ。
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