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2024/02/04

ファニーでキュートな人物たちが織りなす、片田舎の村で起こる日々のあれこれ、こもごもの群像劇。 一応はルイーズが振り返る形で物語は語られていくが、視点はしなやかに動き回って村人たちの心の内や過去へと移り変わる。 10歳だった孫娘のルイーズが喪失を知り、20代で愛を見つけて、30代...

ファニーでキュートな人物たちが織りなす、片田舎の村で起こる日々のあれこれ、こもごもの群像劇。 一応はルイーズが振り返る形で物語は語られていくが、視点はしなやかに動き回って村人たちの心の内や過去へと移り変わる。 10歳だった孫娘のルイーズが喪失を知り、20代で愛を見つけて、30代で世界へ足を踏み入れていく。3章からなる物語をそう読んでも、祖母のゼルマの後半生を辿った物語と捉えてもいいだろう。それは二つで一つだ。 ゼルマが、愛する夫が出征のために旅立つ“最後の最後の、最後の瞬間”を目に焼き付けるプロローグ。ルイーズが新しい人生へ旅立つ瞬間を恋人の目が捉えるエピローグ。留まる人生、踏み出す人生。ゼルマとルイーズの温かい交流を描きながら、人それぞれの「見つめていると消えてしまうが、見つめなければ消えないこと」を浮かび上がらせてゆく。 何にでも関連付けをすることが得意な眼鏡屋は、「死と愛」のお題に答えて言う。“どちらも試すことができない。どちらからも逃げられないし、どちらにも不意打ちを食わされる” 本書には、こんなウィットに富んだセリフや、ユーモラスな比喩が散りばめられている。また最初は「ちょっとどうなんだ?」と思った人々も含めて読み進むほど愛情が湧いて、みんな好きになってしまう。 読み終わると優しい気持ちにさせてくれる。 エピローグを読んだら、プロローグへ戻って欲しい。 目を閉じた時に浮かぶ残像は、明るいところは暗く、暗いところは明るく映る。世界の見方は一つじゃない。

Posted byブクログ

2022/12/28

なんて感想を書いたらいいのかわかりませんが、名作と言えるとても味わい深い作品でした。人生について感じるものがあります。全ての登場人物に親しみが湧く。ドイツの文学作品 

Posted byブクログ

2022/12/27

ゼルマがオカピの夢を見るたびに村の誰かが死ぬ… 冒頭こそ奇妙な出来事を提示しますが物語は淡々と様々な人の日常を描いていきます。大きな事件はありませんがそれがかえって普遍的な営みを浮かび上がらせています。

Posted byブクログ