罪人の選択 の商品レビュー
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SF要素の強い作品のため物語の世界観をイメージするのに一苦労でしたが、登場するキャラクターにはどこか他人事とは思えない人間味を感じました。 その人間味とは、何か見えないものにすがることで負の感情を一時的に忘れるという脳の錯覚です。それに「依存」することで現実から目を逸らしている無様なところには身に覚えがありすぎました。 何かに「依存」しているときは、それを盲目的に「信じる」ことで意図的に思考を止めている状態ですので、この行為がまさに宗教的な何かの発端になるのだと思いました。 それから本書の末巻にある解説のラスト、「圧倒的な困難を前にしても思考を止めないこと。そして恐怖に耐え、未来の可能性への想像力を働かせること。それを希望というのだろう」という言葉には非常に胸を打たれました。 恐怖や不安を前にした時に、その後の行動がいかなるものであっても、その恐怖に耐えて思考をし続けるべきであるということ。これは何かに「依存」したり盲目的に「信じる」ことなく、自分で考えて自分で歩いて自分の人生を作るという、そんな理想に近づく一歩になるのだと思います。
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デビュー作以前の作品『夜の記憶』、SF作品『呪文』と『赤い雨』、そして本作のタイトルで唯一のミステリー『罪人の選択』、以上4つの短編が本作に収録されている。なかでも本作の目玉である『罪人の選択』は1940年代と1960年代ふたつの時間軸で話が交互に進んでいく構成となっている。各年代ともに、これまでの罪の償うという名目で、酒か缶詰のどちらか一つを直接食さなければならない状況であった。それぞれの主人公は二者択一を迫られて、結局一方を選ぶこととなるが、どちらも助からなかった。たしかにどちらもその当時は毒入りではなかった。しかし十八年前の恨みとあるように、時が経つにつれて毒そのものの性質は変化する。この点がこの話においてきわめて重要である。
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夜の記憶 想像できずあたまスパーク 呪文 いいね 罪人の選択 言いたい事もいえないこんな世の中じゃ 赤い雨 非常時に子作りするな避妊しろ、特殊性癖ダニ
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薄味な作品集。4作品が収められているのだが、良かったのは『呪文』くらいで、ほか3作品はひねりなくサラッと終わるので物足りない。 ジャンルも統一性がなく、SF3作+ミステリ(サスペンス?)1作。発表期間も古いものは1987年、新しいものは2017年ということで、何とも寄せ集め感が。
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罪人の選択 普通にミステリとして面白かったです。 呪文、赤い雨 とちらもSFで、状況が理不尽で過酷なのも共通ですが、赤い雨のほうが良かったです。
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4編の短編集。 1編目は意味がわからず読み飛ばし、巻末を見たら1987年の作品。納得。 2編目も物語に入れず読み飛ばす。 3、4編目は普通に読めた。
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貴志祐介の気持ち悪SF好き。 惑星マホロバのお話が特にお気に入り。 カルト宗教感と奇病のコラボレーション!
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悪の教典を読んでたので、近い内容かと思っていたけど、全然違いました。 短編物が4話あり、未来の話が題材です。 正直どの話も魅力はなかったです..... 貴志祐介氏の小説に求めてるのはこういう内容ではない.... (個人的な感想です)
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素晴らしい。特に最後の話が好き。 表題作はSFではないが、残り三編がSF 表題作もとてもおもしろい。
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