ことばと(vol.6) の商品レビュー
特集は「ことばと戦争」。戦争というキーワードから各執筆陣が短編や評論を寄稿。 水上文の評論「聴き取られない声を聴く」は文学がこれまで怠ってきた戦争を語るときの視点と、読み手である私たち自身の態度について言及しており、問題意識として共鳴するものがあった。 高橋源一郎がインタビュー...
特集は「ことばと戦争」。戦争というキーワードから各執筆陣が短編や評論を寄稿。 水上文の評論「聴き取られない声を聴く」は文学がこれまで怠ってきた戦争を語るときの視点と、読み手である私たち自身の態度について言及しており、問題意識として共鳴するものがあった。 高橋源一郎がインタビューで語っていた、「人を自由にさせる言葉」については、戦争をテーマにした小説の中でも、読んだあと「自由にする・しない」ものがあるという話で、読み手に開かれた言葉を紡ぐことの今の時代における重要性を感じる。 短編も多く収録されているが、各人に好きに書かせすぎたせいか、「日本の日常の延長戦にある戦争」という感じの短編ばかりになっており、バラエティをあまり感じられなかったのが残念。
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