僕の樹には誰もいない の商品レビュー
僕がロッキングオンを買っていたのは77年から約10年くらい。この本を読んでいると、まったくあの頃と変わらない松村さんに会うことができます。 どこか達観した松村さんの岩石生活に憧れていた、あの頃と同じ気持ちになります。 コンテンツが溢れいてすぐに読み捨てられる時代には考えられない、...
僕がロッキングオンを買っていたのは77年から約10年くらい。この本を読んでいると、まったくあの頃と変わらない松村さんに会うことができます。 どこか達観した松村さんの岩石生活に憧れていた、あの頃と同じ気持ちになります。 コンテンツが溢れいてすぐに読み捨てられる時代には考えられない、1つの記事を何度も何度も読み返してた、懐かしい思い出です。
Posted by
1970年代半ば産まれのわたしにとって、二十歳前後は<ロッキング・オン>と<ミュージック・マガジン>が、聴きたい音楽の情報を仕入れるための二大活字メディアでした。Windows95が出たばかりの頃で、ネットでは、ごく限られた書き手が音楽関連の情報を発信してましたが、メインの情報源...
1970年代半ば産まれのわたしにとって、二十歳前後は<ロッキング・オン>と<ミュージック・マガジン>が、聴きたい音楽の情報を仕入れるための二大活字メディアでした。Windows95が出たばかりの頃で、ネットでは、ごく限られた書き手が音楽関連の情報を発信してましたが、メインの情報源はあくまでも紙媒体でした。その方が圧倒的に安価で情報を仕入れられたので。雑誌を購入する前提でいけば二誌のどちらかを選択せざるをえないけれど、小銭があるなら食費と家賃にまわしていた若い頃は、雑誌は全て立ち読みですませていました。結果的に、媒体よりも書き手で情報源を選択し、吸収していたのです。書かれている内容だけではなく、文体や、その人柄も当然選択する基準になっていたのでした。松村さんは、いまに至るまで愛読し続けていた書き手二人のうちの、一人でした。楽しく読み進めた後、巻末に収められた、編集を担当された米田郷之さんの『本書について—松村さんの十冊目』を読むと、落涙してしまいます。
Posted by
高校生のときに読んだ雑誌で知った著者。 自分の考え方、生き方に少なくない影響を与えてくれた人だ。 本作を読んで改めて感じたが、行間にたくさんの表現があるのがこの人の文章の特徴であり、味わいだということ。 ジョン・レノンが亡くなったとき、リリース直後だった「ダブル・ファンタジー」を...
高校生のときに読んだ雑誌で知った著者。 自分の考え方、生き方に少なくない影響を与えてくれた人だ。 本作を読んで改めて感じたが、行間にたくさんの表現があるのがこの人の文章の特徴であり、味わいだということ。 ジョン・レノンが亡くなったとき、リリース直後だった「ダブル・ファンタジー」を手に入れる気が無いと言っていた。手に入れたら、ジョンの作品がすべてそろってしまう。そうしたら終わってしまうから。 この本は自分にとってのそれだ。発売と同時に買うには買ったが、読み進められなかった。 本書の編集人によれば、未発表原稿、単行本未収録原稿がまだあるらしい。 没後1周年記念、2周年記念などと、願わくば毎年刊行してほしい。
Posted by
- 1