ULTIMATE EDITION の商品レビュー
陰謀論というウイルスが感染拡大する この世界の実像をあぶり出せ―― 約10年ぶり、全16篇が奇妙に響きあう究極の小説集!阿部和重さんがいろいろなところで発表されたお話を1冊にぎゅぎゅっとまとめた短編集です。さくさく読めてしまいます。個人的には「Neon Angels On The...
陰謀論というウイルスが感染拡大する この世界の実像をあぶり出せ―― 約10年ぶり、全16篇が奇妙に響きあう究極の小説集!阿部和重さんがいろいろなところで発表されたお話を1冊にぎゅぎゅっとまとめた短編集です。さくさく読めてしまいます。個人的には「Neon Angels On The Road To Ruin」「There's A Rior Goin' On」が好きです。次は長編を書いてくれないかなぁ。
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作風がとても琴線に触れて響く。どの短編にもシニカルなユーモアが含まれており、社会問題に対する知識や想像力の深さを読み手に共有してくれているようだった。過去の作品を遡り、全作読破を目指したい作家。
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ロシア情勢や闇バイト、テロなど最近ニュースとなっている話題を予言していたかのような小説集だ。実際のところ予言していたわけではなく執筆時にそれらの話題を丁寧に調べて書いたら、最近それらの問題が大ごとになっているのでそう思えるのだろう。特に長めの話がとても面白い。
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起承転結の起とか承とかでブチっと終わっちゃう印象で最初は「?」だったけど、こうゆう作風なんだなっと思って読んだら面白くなってきた。 かっこつけたい気分のときに読みたい本 笑
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陰謀論から身を守れという帯文があるが、平成後期〜令和の時代に「陰謀論から身を守る」にはどうすればいいかということを阿部和重が考えているのかというと微妙なところで、どちらかといえば「この時代、世界は陰謀論と同化している」という冷笑をして、その世界に向かって阿部和重流の対峙をみせて...
陰謀論から身を守れという帯文があるが、平成後期〜令和の時代に「陰謀論から身を守る」にはどうすればいいかということを阿部和重が考えているのかというと微妙なところで、どちらかといえば「この時代、世界は陰謀論と同化している」という冷笑をして、その世界に向かって阿部和重流の対峙をみせているという印象だった。この短編集を読むことがそのままここ十年くらいの社会の出来事もしくは風景をおさらいすることになるのだけれど、私は読みながら「世界はいまこんなに冗談みたいなことになってるのか」と笑いながら戦慄した。漠然とした"しあわせ"とか"たのしい"を無意識であれ志向して我々は生活を送っているのだが、この世界はそれをもはやバーチャルなものに代替しようとしていて、巧妙な潮流によってそれに対抗しようという気を私たちにそもそも起こさせないようになっている。それでは仮想現実に埋め尽くされる世界の中で私たちに残るのは何かといえばバーチャル風景がスイッチを切られ現れた、逆説的にたしからしさの感じられない現実と不条理に徒労した自分の醜い肉体である。とこう書けば、令和時代における大江健三郎みたいな感じの短編集だなと納得することができるかもしれないし私はそう思った。 しかし恐ろしいのは、阿部和重が果たして大江健三郎的な実存を現代にアレンジすることを目指してこの小説群を書いたのかということで、もしそうならそれでいいのだけど、そうじゃなくてただたんに「混沌化している世界」を冷笑した、もしくは「混沌化している世界に対峙した」だけなのであれば、現代世界の方が本当に大江健三郎の小説のようにヤバくなっていて私たちはもう遅かれ早かれ実存を自分の外側に見出せなくなるという痛みなき地獄を予感することになる。
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『嵐の誕生秘話が語られる!? そんな企画物入りの短編集』 阿部和重さん初読み。 時事ネタをうまく取り入れた作品や、ジャニーズのグループ名が出てくる企画物など、バラエティに富んだ短編集。 全体的に暴力的でダークな雰囲気が漂う中、随所に散りばめられた皮肉が快感に!
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全部で16の短編が詰まった短編集。 個人的にはくどい描写が多くて苦手な作品も結構ある。伏線的なものであれば意味があるけど、単に情報量が増えるだけの文章は好みじゃないなと思った。 雑誌などに掲載されたときはたぶん決まったテーマがあってそれにそった短編になってると思うんだけど、こ...
全部で16の短編が詰まった短編集。 個人的にはくどい描写が多くて苦手な作品も結構ある。伏線的なものであれば意味があるけど、単に情報量が増えるだけの文章は好みじゃないなと思った。 雑誌などに掲載されたときはたぶん決まったテーマがあってそれにそった短編になってると思うんだけど、こうやって短編集として集められるとそのテーマ性が見えにくいので、面白さが半減しているような気もする。
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短編集?になるのかな?、いずれもどちらかというとハードボイルド、だがしかし決して格好のいい、スマートな、成功体験を語られるものではなく、惨めな、残忍な、痛々しい、傷つき方、死に様、を見せつけられるようで少し心が痛む。唯一の救いと言えば、どの物語も主人公(たち)が様々な不安、恐れ、...
短編集?になるのかな?、いずれもどちらかというとハードボイルド、だがしかし決して格好のいい、スマートな、成功体験を語られるものではなく、惨めな、残忍な、痛々しい、傷つき方、死に様、を見せつけられるようで少し心が痛む。唯一の救いと言えば、どの物語も主人公(たち)が様々な不安、恐れ、を感じる物語の絶望の中で、最後には安堵し、時には死を意味する深い眠りにつく…という事だろうか… どちらかというと「ジャケ買い」の様な感覚で読み始めた為、作者及び著作に関して、全く予備知識は無かった。ただそれでも、全編を読み終える事ができたのは、それなりのスリリングな展開を楽しめたからかもしれない… 個人的には、終わりから一つ前の比較的長編、Neon Angels…、が楽しめた。自らの日常生活にそれなりの余裕がある、この様な物語をフィクションとして楽しめる、そういう方におすすめしたい。
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