VSI[ブイエスアイ] wataboku ART BOOK の商品レビュー

wataboku(著者)

2022/10/22

一人の架空の少女をずっと描き続けている、という画集というかイラストというかデジタルアート。単に美しいだけでなく、一人の内面の吐露が現れているような感情の変化と表現が素晴らしく飽きさせない。作家は少女のこれを描きだそうとしたというより、勝手に動き出して。この少女が何を考えているのか自分にもわからないと言う。何度も無数に描いているうちに少女が自律的に動き出して考え始めたと…。
なんかのイデオロギーまみれになってその筋の「批評家」のおもちゃになってる感の「現代美術」よりも、あの時代を象徴するアートだったと後から振り返られるのはこういった権威の埒外から出た創作のように感じる。