無責任廃業 の商品レビュー
無責任廃業: 小規模事業こそM&Aを目指しなさい 著:都 鍾洵 廃業すると困る得意先がいる。廃業すると生活が不便になる消費者がいる。廃業すると露頭に迷う従業員がいる。廃業すると産業廃棄物が出る。廃業することで、困る人がいる。 「ただ」廃業することは、無責任である。 「...
無責任廃業: 小規模事業こそM&Aを目指しなさい 著:都 鍾洵 廃業すると困る得意先がいる。廃業すると生活が不便になる消費者がいる。廃業すると露頭に迷う従業員がいる。廃業すると産業廃棄物が出る。廃業することで、困る人がいる。 「ただ」廃業することは、無責任である。 「責任ある廃業」と何か・・・ズバリ、M&Aである。大事に育てた得意先、技術、ノウハウ、従業員を、「有償」で他社に引継ぐことである。 本書の構成は以下の11章から成る。 ①マイクロM&Aを始めるきっかけとなった、社長の失踪 ②廃業する前に「会社を譲る」という選択肢がある ③M&Aが必要とされる時代 ④マイクロM&Aで成功するのはこんな事業 ⑤M&Aに向いていない会社・事業 ⑥具体的なマイクロM&Aの流れ ⑦具体的に注意すべき点・対処法と仲介会社について ⑧こんな受け継ぎ手候補には注意 ⑨M&Aの専門家 ⑩税理士さんは強い味方 ⑪国の支援策 事業承継問題としての2025年問題の救世主のひとつとされているM&A。そして、本書でとりあげられているM&Aは「マイクロM&A」従業員3人以下や譲渡価格または粗利が3,000万円以下等の中小零細企業を対象とし、費用・フィー関連も抑えることができる手法が紹介されている。 承継問題は個社別・個人別に課題や向き合い方も変わり、一括りにM&Aで解決できるということはないが、多くの企業が参考になることは確かなことでもある。 視点を変えれば見えてくることもある。無責任な廃業から責任のある廃業であるマイクロM&Aを使う事でどれだけの企業が救えるのか。そしてそれ以上にしっかりと、見ないといけないことは、引き受け手のその後でもある。 PMIやそれ以降中長期的にどうなっていくのかを追って、モニタリングしていくことが大切であり、責任のある廃業を行っても2、3年でその事業が廃業を迎えることは誰も望んでいない。 また違った論点になるかもしれないが、渡すことよりも軌道に乗せることを考えながら貢献する気持ちは忘れてはいけない。 多くの気づきをいただいた一冊であった。
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