半月の夜 の商品レビュー
すごい読みやすかった 帯を見るまで芸能人の野沢直子さんだと 気づかなかった 少し変わった登場人物だと思いながらな 最初は読んでいたが、読み初めていく内に 色々な思いがあって苦しんでいることが わかった 少し不器用ながら少しづつ前向きになっていく終わり方でよかった
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すごく良かった。野沢直子さんって同姓同名かと思っちゃうくらい想像つかない。野沢直子さんすごい。ハッピーエンドだからなおよし。
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吉本興業の野沢直子さんが書いた小説です。 どうしても野沢直子さんの顔がチラつきながらの読書になってしまったのですが、テレビで見る野沢直子さんとのあまりのギャップに驚きが止められませんでした。 表紙には真っ黒な空に浮かぶ半月。商店街を走る女。 この表紙のような暗い暗い雰囲気が漂う物...
吉本興業の野沢直子さんが書いた小説です。 どうしても野沢直子さんの顔がチラつきながらの読書になってしまったのですが、テレビで見る野沢直子さんとのあまりのギャップに驚きが止められませんでした。 表紙には真っ黒な空に浮かぶ半月。商店街を走る女。 この表紙のような暗い暗い雰囲気が漂う物語でした。 1ページ目から、自分がどんなに歳をとり、醜くなったかということを延々と語る女・カオル。 カオルは何の感情も持たず、淡々とパート先のスーパーとアパートを毎日往復するだけ。 もう1人の語り手はカオルが時々立ち寄る弁当屋の主人・誠。亡き両親が遺した弁当屋を継いでいるが、脱サラして弁当屋を始めた父に否定的な言葉を投げつけたまま別れの日がきてしまったことを後悔している。 2人の孤独が全ページに溢れています。 自分は何のために生きているのか? 自分に生きる価値はあるのか? 本当にこの表紙のように暗くて黒い2人の孤独。 大切なのは自分で選ぶこと。自分で掴み取ること。人は幸せを感じるために生まれてきたということ。 読後、表紙を見ると走っている女が違って見えます。 力強い後ろ姿です。
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驚いた 作家の破天荒な生き方から考えられない作品 人が生きる時、親の在り方は、子どもの人生を 縛る 良く理解できる ストーリーは中学時代の同級生の生き方 東京で思いがけない状況で出会う 映画にできるストーリー
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野沢直子さんが描く人生再出発物語。 主人公の立花カオルはスーパーのレジで働く55歳の女性。 六畳一間の自宅とパート先を往復するだけの日々を送る。 同僚からは陰で「他にやることのない、みるからに孤独なデブのおばちゃん」と馬鹿にされ、嫌がらせも日常茶飯事。 死ねないから生きてい...
野沢直子さんが描く人生再出発物語。 主人公の立花カオルはスーパーのレジで働く55歳の女性。 六畳一間の自宅とパート先を往復するだけの日々を送る。 同僚からは陰で「他にやることのない、みるからに孤独なデブのおばちゃん」と馬鹿にされ、嫌がらせも日常茶飯事。 死ねないから生きている、彼女の無気力と諦観はどこから来ているのか。 その背景が明らかになるとやるせない思いに駆られた。 ずっと灰色の世界で生きて来た彼女に訪れた偶然の再会はきっとご褒美だったんだろう。 全ての支配から脱出した彼女の未来がどうか明るい色で染まりますように。
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書評で紹介されていた野沢直子さんを初めて読んだ。彼女は吉本興業に入社し「出稼ぎ芸人」としてテレビで活躍し、その後芸能活動を休止して単身渡米。現在はアメリカ在住で一男二女の母という異色の経歴の持ち主だった。その通り、オチをつけて話術で勝負する芸人さんが書いたと思わせる作品でした。 ...
書評で紹介されていた野沢直子さんを初めて読んだ。彼女は吉本興業に入社し「出稼ぎ芸人」としてテレビで活躍し、その後芸能活動を休止して単身渡米。現在はアメリカ在住で一男二女の母という異色の経歴の持ち主だった。その通り、オチをつけて話術で勝負する芸人さんが書いたと思わせる作品でした。 冒頭10ページ近くを割いて、スーパーのレジで働く立花カオルの「孤独でデブのおばちゃん」ぶりが凄まじい。五十五歳になった今、瞼はたるんで足は象のようにむくみ転がるように醜い。何を見聞きしても感情の針が動くことはなく、すべてのものが灰色に見えると書かれていて、キツイ小説と腹をくくるが文体が簡潔で読みやすい。物語が動き始めると、一気呵成に読みあっという間に一日で読了してしまった。 もう一人の副主人公となる中川誠。14歳の時、父親が「東京に行って弁当屋をやる」と突然宣言し、生まれ育った〈海の見える街〉を中学で離れることになった。父さんのせいで、俺の生活はめちゃくちゃだと全てを父のせいにしている向きもある。父のようにはなるまいと家を離れ進学し就職、恋人も居るが、海辺の町に暮らしているアイドルのような存在だった中学の同級生・カオルちゃんを忘れられないでいる。父から誘われた家族温泉旅行を妙な意地から断るのだが、両親はその旅中に事故で亡くなった。旅行出発前、父は誠に店を出したい自分の夢を叶えるために無理をさせたと詫び、「ありがとう」と謝っていた。しかし誠は何も答えず、両親がそのまま事故で亡くなったことを悔やみ、店を継ぐことを決意し恋人にも別れを告げている。オープンした店は父のレシピのおかげで、父の時代の客足も戻り新客も増え順調。しかし何か物足りない暮らしだった。 形は違うが、中年を過ぎ老年期に入ろうとしているカオルと誠は依然として親の軛に縛られていたのだ。一見親離れしているようで気づけない。多かれ少なかれ誰にでも思い当たる節があるだろう。 野沢直子さんはインタビューで次のようにも語っている。『老いは暗く、マイナスでしかない。でもだからこそ正視して、何とかプラスにする方法を考えようよって。その方が老いは素晴らしいなんてウソをつくより、ずっといいと思うんです』
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まず、本作品は短編集かと思ったが、7つの章に分かれている長編小説である。そして、極めて平易な文体で、誰もが頭の中に描く事ができるであろう、登場人物、家族、東京の下町の情景や中学生時代の淡い思い出…、などを描きながら、読む者をごくごく自然に、ぐいぐいとその世界に引き込んでいく魅力が...
まず、本作品は短編集かと思ったが、7つの章に分かれている長編小説である。そして、極めて平易な文体で、誰もが頭の中に描く事ができるであろう、登場人物、家族、東京の下町の情景や中学生時代の淡い思い出…、などを描きながら、読む者をごくごく自然に、ぐいぐいとその世界に引き込んでいく魅力があると思う。 作者の野沢直子氏の私の思い出と言えば、四半世紀前にお笑い番組で破天荒なギャグをかまして個性的なコメディアン?マルチタレント?として活躍していたにも関わらず、突然、外国に行きミュージシャン活動の傍ら、外国人の方と結婚して子供も生まれ…という生き方までも破天荒な人、という印象であった。 そんな多芸な悪く言えば浅く広い?、人物に文字の世界でなぜここまで緻密な創作が出来るのか?、不思議であると共に、その才能に驚愕せざるを得ない。先に書いたように、平易な文章、であるので、いわゆる芥川賞候補作、の様な難読語、は出てこない。実際、いつも私は読書をする際に難読語を必ず電子辞書アプリ等で調べながら読み進めるのだが、この作品ではそれが一切無かった(即ち芥川賞は狙っていないという事か?笑)、ただその分、淡々としてスリリングに進む物語を、切れ目なく歯切れ良く味わい尽くす事ができた… こちらでの紹介にある様に、50代初老の男女を主人公とした物語である。今の閉塞感溢れる世の中、誰もが決して幸せな人生を歩んではいないのでは無いか?、自分の立ち位置はどうなんだろう?、こんな素敵な物語はあり得ないだろう?、…そう言った期待、感想、がこの作品からは聞こえて来るようである。自ら、決して順風満帆な人生を送ってきたわけでは無かった、と自分の気持ちのどこかで感じている同世代の方には、是非とも読んで頂きたい。
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