あなたへの挑戦状 の商品レビュー
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阿津川辰海さん「奇怪な城の密室殺人」 斜線堂有紀さん「死体と眠る犯人」 挑戦状の内容もその返しもすごい! 前者は各章の前に読者に挑戦するようなヒントがあり意気込みましたが、はい、やっぱり解けませんでした。 でもあの名探偵のアレは絶対誰も予想できないはず! 後者は目立たない兄と目立つ妹の話。兄は人を惹きつける才能に溢れた妹を嫌い、距離を置いているが…。兄妹の想いが切ない。
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「互いに敬愛していたことを示す根拠」としての2篇の中編小説。 面白い‼︎ 「あなたへの挑戦状」の意味に気づいた時、思わず声が出てしまうほど驚いた。 付録から読んでしまうと面白さが半減してしまうので順番を守って良かったと思った。
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2人の作家がお互いに「挑戦状」を出し合い、小説で答えている。 読者への挑戦ものは稀によく目にしますが、こちらは作家同士でやってみたという感じですね。 付録やタイトルでワクワクさせていただきました。 謎とお話は突飛でなく、「解答」として十分に成り立つものだと思います。 読者を楽...
2人の作家がお互いに「挑戦状」を出し合い、小説で答えている。 読者への挑戦ものは稀によく目にしますが、こちらは作家同士でやってみたという感じですね。 付録やタイトルでワクワクさせていただきました。 謎とお話は突飛でなく、「解答」として十分に成り立つものだと思います。 読者を楽しませるというより、挑戦者に応えるのが第1目標……という理解でいいのでしょうか? 仲のいい2人のやり取りが1冊の本に相成った、という体ですかね。 私はどちらの作家さんも初読だったのですが、お好きな方には垂涎ものなのではないでしょうか。
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タイトルがアツい。少年誌のバトルみたい(笑) 今の出版業界でこういう企画が実現できるんだー、と読んで元気になった
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256ページまで読んでから、封筒を開けて「あなたへの挑戦状」を、でもなんか変だな?ここから何を挑戦されるんだろう?わくわく という感情が読み進めるうちに見事に、ね。 お見事。 そういうことかー! エンタメってこういうことだな。
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自分にも解けないか、考えながら読んでいたがタイトルはそういう意味だったのか!と挑戦状を開封して驚いた。 著者2人のほかの作品は未読だけど、両方のファンは垂涎ものだと思う。執筆日記にはやみね先生と松原先生の競作(いつも心に好奇心!)の話が出ていて、同世代かも…!と思うとわくわくした。
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これは、お互いの作者が謎だけ出してそれを元に作った話。 "水槽城の殺人"は割と本格的で難しかった。 "あれふれた眠り"はすれ違う兄妹の心情が分かりやすく読みやすかった。
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面白かった。 ・水槽城の図面をみて一番初めに気になった「上の階から下の階へ向けて窄まる形状」が、まさにトリックに利用されていて、納得度が高かった。 ・斜線堂有紀氏の話は、推理しながらというよりは手を引かれるがままするする読み進めた。 千百合、俺はいつまでもお前を待っているからな。 しかし、そのあまりのストレートさにふと疑問が湧く。この本、『あなたへの挑戦状』ではなかったのか? 自分は初め、あなた=読者 であろうと勝手に思い込んで本書を手に取った。もちろん、ミステリ読者の端くれとして、自分の先入観には人一倍気を遣っている。これってミスディレクションなんだろうか?あなた=読者とは限らないのではないか?一応考えてみるも、確信には至らずひとまず読み始めた。そして、阿津川氏の章を読み、なんだ「あなた」はやはり読者だったか、と油断した。 斜線堂氏の章まで来て、読み始める前の疑問を、改めて思い出す。まあふつうにミステリとして推理の余地はあったが、これって読者への挑戦状とあえて銘打つようなものだろうか? 謎が残ったままに読み切ったところで、挑戦状が開示され「あなた」とは我々ではなかった、と判明する。 いやなに、勝手に自分へ向けた作品だと思い込んだこちらが悪いのだが、これは、うれしい驚きというよりは、寂しさが勝ってしまった。 ああ、そうだよね、もう、それならはじめから期待させるようなこと言わないでよね、うん、まあ、わかってたけどね。などと無意味に強がってみせる。 あとがきで、『読者への挑戦状』が話題にのぼっていたので、制作側も意図的だったんでしょう。 ・あとがきの共同日記に登場した、はやみねかおる先生と松原秀樹先生の共著『いつも心に好奇心(ミステリー)!』は自分も思い入れのある作品だったので、なんだか懐かしく嬉しかった。
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阿津川辰海『水槽城の殺人』 水槽の館だなんて、何だかあの『中村青司さん』が建てた館のようでワクワクする。 刑事の川村のキャラクターが面白くて、川村をシリーズで見たいと思うくらいに好きになってしまった。鯖江の存在も面白くしている。 斜線堂有紀『ありふれた眠り』 初めての斜線堂さん...
阿津川辰海『水槽城の殺人』 水槽の館だなんて、何だかあの『中村青司さん』が建てた館のようでワクワクする。 刑事の川村のキャラクターが面白くて、川村をシリーズで見たいと思うくらいに好きになってしまった。鯖江の存在も面白くしている。 斜線堂有紀『ありふれた眠り』 初めての斜線堂さんの本だったけど、読み始めてすぐに「好きだ」と感じた。 心情が詳しく書かれているので感情移入しやすい。他の作品も読みたくなった。 そして、いよいよ挑戦状を開ける。 読者にこんな楽しみをもらえるなんてありがたい。ドキドキしながら開封すると、そういうことか!!この発想は面白すぎる〜。本はこれだから楽しくて最高だ^_^ 昨日まで読んでいた『1984 年』で引きずっていた衝撃も、このワクワク演出のおかげで落ち着いてきた。 本作と挑戦状だけでも十分満足したのに、最後に「競作執筆日記」を読むことができる。この本はどこまでサービス精神旺盛なんだろう。 作家さんがどうやって1つの作品を執筆していくか、産みの苦しみは想像していた以上だった。 そして、阿津川さんの日記の一文に引っかかる。 『通勤電車は読書が捗る』と書いてある。 え!?通勤電車ってどういうこと?作家さんがどこに通勤するの?と思って検索すると、そこには驚愕の「兼業作家」と書いてあった…。 これだけの天才が普通に日中は別のお仕事をされていることにも驚いたけど、これだけの作品を一体いつ書かれているのか?ということにも驚きっぱなし。 阿津川さんは実は双子なのでは?作家の阿津川兄と、サラリーマンの阿津川弟。毎日情報を共有しながら、たまに入れ替わる。そんな空想が止まらなくなる。 そして、私の考えた結論。 「阿津川さんはやっぱり天才」 作品、演出、日記すべて合わせると★5では足りない。★8 ミステリー好きにはたまらない1冊だった。
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あなた=読者 のいつものパターンかと思いきや、まさかの阿津川先生×斜線堂先生のお互いの挑戦状だったんですね。 各々の作品のみでしたら★3かも。お互いに挑戦するという、ありがちな競作本ではなかったため★4。巻末の日誌のようなお二人の備忘録が読み応えありました。これで★5。 テーマだけ相手に与えて、それで書いてもらう。騙されました。とても素敵。この競作方法、ぜひ他の作家さん同士でやってほしい企画です。(もちろん、此方のお二方ぐらいの仲の良さは必要かもしれないが。) 館三部作など、阿津川先生の作品を読んでいつも思うことは、阿津川先生の性格の根っこ部分は大変優しい方なんではないでしょうか。水槽城でも端々に感じました。
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