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ウクライナ戦争と向き合う の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2023/09/02

ロシア国民がこの戦争を止められる能力を持つことを期待せずにはいられないです。パンデミック、地球温暖化は人為的要因も大きいうえに、戦争もまた独裁者による人災とあれば、エピローグにあるこの世界の壊れやすさに不安を覚えます。日本が学ぶべきこととして憲法9条と自衛戦力の確立の矛盾が指摘さ...

ロシア国民がこの戦争を止められる能力を持つことを期待せずにはいられないです。パンデミック、地球温暖化は人為的要因も大きいうえに、戦争もまた独裁者による人災とあれば、エピローグにあるこの世界の壊れやすさに不安を覚えます。日本が学ぶべきこととして憲法9条と自衛戦力の確立の矛盾が指摘され、具体的な例を目の前に考えよと課題を突きつけられた感があります。

Posted byブクログ

2023/06/12

ウクライナ戦争勃発後半年ほどの時点で出た本だが、この戦争を構造をとても明確に分析していると思う。 とくにロシアのウクライナ侵攻は国際法的にも倫理的にも許されないとしつつも、それの誘因としてNATOの拡大などによるロシアの安全保障を脅かしたNATOとくにアメリカの問題を指摘する論...

ウクライナ戦争勃発後半年ほどの時点で出た本だが、この戦争を構造をとても明確に分析していると思う。 とくにロシアのウクライナ侵攻は国際法的にも倫理的にも許されないとしつつも、それの誘因としてNATOの拡大などによるロシアの安全保障を脅かしたNATOとくにアメリカの問題を指摘する論者の議論のおかしさを論理的かつ事実ベースで論破しており、この部分は説得力があった。わたしも概ね同じように感じていたところだが、それがしっかりとまとめられていて、スッキリ感があった。 あと、左翼系の知識人が、アメリカもたとえばイラク戦争などなどで国際法上問題の戦争をおこなっており、ロシアがやっていることは、それと同じであることを指摘することが多いのだが、それに対して、この議論は、アメリカも悪いことがロシアの悪さを免責することになるとして、否定し、アメリカも、ロシアも悪いということは、たんに悪いことは悪いというだけで、ロシアの侵攻の罪が小さくなったり、ロシアを批判できないということを意味しないという議論も当たり前なのが、わたしたちがつい陥りがちな議論だと思った。 さて、著者は、今回の戦争は、プーチンの個人的な保身のためであるとしたうえで(ここまで言い切っていいかはわからないが、一定の説得力あり)、今後の見通し、日本へのインプリケーションに進むわけだが、今後ということになると、新しい方向があるわけではない現実を確認する感じになって、やはりそうだろうな〜とため息。 そして、日本の危機意識のなさ、リスクマネジメント能力の低さ、憲法問題、自衛隊問題などなど、問題の構造は、ほんとそうだと思った。ただ、それが本当に正しい方向なのか、そして仮にそれが正しいとしても政治的にそれが実現しうるかと考えると暗澹たる気持ちになった。 著者は、今回の戦争で明らかになったのは、国際社会は、自らを守るために戦うものを助ける、その助け方も武器の供与や経済的な制裁くらいまでで、直接、軍事的に戦争を戦うわけではないということだと言う。 もちろん、ウクライナの場合は、安全保障の同盟に入ってなかったから、こういうことになったわけだが、安全保障同盟に入っていても、自ら戦わない国を他の国が代わりに戦うことはないであろう。 さて、日本はどうするのだろうか?

Posted byブクログ

2023/03/31

ロシアによるウクライナ戦争の理由について、①ウクライナ「脱ナチ化」であるとするピー賃の言説を否定し、②西側知識人がしばしば説く「NATO東進帰責論」も否定した上で、③プーチンが自らの権力基盤を維持するためであるという持論を展開している。さらに3つの独裁的な軍事強国が日本海を隔てて...

ロシアによるウクライナ戦争の理由について、①ウクライナ「脱ナチ化」であるとするピー賃の言説を否定し、②西側知識人がしばしば説く「NATO東進帰責論」も否定した上で、③プーチンが自らの権力基盤を維持するためであるという持論を展開している。さらに3つの独裁的な軍事強国が日本海を隔てて対峙しているわが国では、9条を改正して、自衛隊が現実にわが国を防衛するための法制度を整えるべきであるとしている。

Posted byブクログ

2023/02/12

悪を非難する側にもまた悪があるからと言って、非難される側の悪が帳消しになるわけではないという、考えてみれば当たり前のことだが、論理のすり替えでロシアを擁護してしまうことへの警鐘など、なるほどと思うところもあれば、自衛隊法の理解と、それに基づく憲法的統制の及ばない自衛隊危険論など、...

悪を非難する側にもまた悪があるからと言って、非難される側の悪が帳消しになるわけではないという、考えてみれば当たり前のことだが、論理のすり替えでロシアを擁護してしまうことへの警鐘など、なるほどと思うところもあれば、自衛隊法の理解と、それに基づく憲法的統制の及ばない自衛隊危険論など、疑問符がつくようなところもあり。 郭舜先生の法学教室の記事も併せての感想だが、やはり、日米同盟の文脈で、まず自衛隊が戦わなければ米国も戦ってはくれないと言われるように、国民も、軍事的に戦うとは言わないまでも、踏みとどまって自らの生活や社会を守る覚悟を見せなければ、ただ逃げたり降参したりするだけでは、他国の支援など望めないのだろうなぁ。

Posted byブクログ

2023/02/11

ウクライナ戦争についていくつかの本を読んでみたけど、現時点ではこれが決定版だと思う。 未だにロシアに肩入れしている政治家や言論人はこの本を読んで自らの見識の低さを恥じるべきだし、どこか他人事な政治家やマスコミ関係者も、やっぱりこの本を読んで当事者意識の無さを反省すべきである。 ...

ウクライナ戦争についていくつかの本を読んでみたけど、現時点ではこれが決定版だと思う。 未だにロシアに肩入れしている政治家や言論人はこの本を読んで自らの見識の低さを恥じるべきだし、どこか他人事な政治家やマスコミ関係者も、やっぱりこの本を読んで当事者意識の無さを反省すべきである。 井上氏と意見が異なる点を先に述べておこう。 まず第二章の中国に関する記述で、ドンバス地域をロシアが国家承認したことを中国が是認すると、もし台湾を欧米諸国が国家承認した際にそれが無効であると反論できないと書いてある。 昨年ポンペオ前米国務長官が台湾を訪問した際の発言を念頭に置いているのだろうが、ポンペオ発言はリップサービスの域を出ないだろう。 いま台湾を国家承認している国は十数か国しかなく、中国との関係を鑑みると欧米の主要国家が台湾を国家承認する可能性はほぼ無い(台湾有事の際の制裁として後付け的に国家承認するとも思えない)だろうから、この見立てはあまり意味をなさないのではないか。 またロシアが戦術核兵器を使う可能性について、プーチンの取り巻きが全て狂わない限りゼロに限りなく近いと書いていあるが、そもそも戦争を起こすことこと自体が合理的に考えると分の悪い選択なのだから、我々の考える理性・合理性をロシアの指導者層が持っているかどうかはすこぶる怪しい。 もしロシアから見た戦況が現状より悪化した場合、例えばウクライナ東部で小型の戦術核を使うぐらいのことはやってもおかしくないように思える。 しかしそれ以外の井上氏の主張に関してはほぼ全面的に合意できる。 ウクライナ戦争の遠因はNATOの拡大だなどとぬかす言説を完璧に論破している部分は読んでいて痛快だし、この戦争の終わらせ方についても、確かにこの形しかないよなと思った。 現在の日本の置かれている立場、そして立憲主義の観点からみた自衛隊の法体系上の問題点に関する部分も読んでいて非常に勉強になる。 井上氏は自らの主張の根拠をみっちりしっかり書いてくれているので、非常に説得力のある一冊になっているように感じた。 残念なのは版元がメジャーどころではないせいか、書店のウクライナ戦争コーナーでも本書をほとんど見かけない点。非常にもったいないなあと思う。

Posted byブクログ

2023/01/24

中国がロシアの戦争続行能力を支えるためにロシアに重要な経済的、軍事的支援を行い、その結果、欧米の経済制裁が中国に対しても拡大されるようになった場合には、中国経済が被る打撃はさらに大きくなる。中国政府はこのことを自覚しているからこそ、ロシア支持は外交的言質にとどめ、ロシアに対しる積...

中国がロシアの戦争続行能力を支えるためにロシアに重要な経済的、軍事的支援を行い、その結果、欧米の経済制裁が中国に対しても拡大されるようになった場合には、中国経済が被る打撃はさらに大きくなる。中国政府はこのことを自覚しているからこそ、ロシア支持は外交的言質にとどめ、ロシアに対しる積極的な敬愛的軍事的支援は自制している。

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2022/10/11

https://www.shinzansha.co.jp/book/b10023271.html 安全保障、国民が立たなければ ―国際社会は「自らを助くる者のみを助く」― (毎日新聞 2022.4.8 夕) https://www.shinzansha.co.jp/book/b...

https://www.shinzansha.co.jp/book/b10023271.html 安全保障、国民が立たなければ ―国際社会は「自らを助くる者のみを助く」― (毎日新聞 2022.4.8 夕) https://www.shinzansha.co.jp/book/b497743.html

Posted byブクログ