大人が読みたい平家物語 川本喜八郎の世界 の商品レビュー
人形劇の三国志は再放送で見ていたものの、平家物語は無論のこと「鎌倉殿の十三人」すら観ておらず、源平合戦を一から勉強するつもりで読み進めた。 しかし読後にメモした内容を振り返ると「川本喜八郎は項羽と劉邦の人形劇テレビドラマを目指していた」「足利尊氏、新田義貞、武田信玄はそれぞれ河内...
人形劇の三国志は再放送で見ていたものの、平家物語は無論のこと「鎌倉殿の十三人」すら観ておらず、源平合戦を一から勉強するつもりで読み進めた。 しかし読後にメモした内容を振り返ると「川本喜八郎は項羽と劉邦の人形劇テレビドラマを目指していた」「足利尊氏、新田義貞、武田信玄はそれぞれ河内源氏の系統だった」など傍流のものばかり。 とはいえ各種史料を基に展開される栄枯盛衰の流れや地図付きの戦況分析は大変判りやすく、頼朝の最期が不自然に欠落している『吾妻鏡』の空白はミステリアスで想像を大いに掻き立てられた。 文学作品たる『平家物語』に対し、鎌倉幕府による公的な歴史書『吾妻鏡』は事務的な描写一辺倒とのことで、三国志演義と正史の関係を思わせる。 両方読むことで更に理解は深まるのだろうが、それはまたのちの話……ベンベン(琵琶を掻き鳴らしながら)。
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