神々の山嶺(愛蔵版)(5) の商品レビュー

谷口ジロー(著者),夢枕獏(原作)

2022/12/26

私の人生においてとんでもなく熱のある、想いの深い作品だったー！5巻の途中で結末に気づいてしまい、しばらくあれこれ考えてぼんやりしてしまった。そしてラスト周辺、ページをめくる直前のうっすら見える人影。次の頁に進めず。しばらく走馬灯みたいにこれまでのあらゆるシーンを思い出した。
羽生丈二の不器用さはあまりに悲劇だけれど深町も別方向にだいぶ不器用で、この2人が少しずつ、友情でもない絆でもない因縁のようなもので繋がっていくところがなければここまで面白くはなかったかも。途中、3巻だったか誘拐までのくだりはやや中だるみするけど、何もかもを捨てていることがわかって深みが増した気がする。
もう何より絵がすごい。小さなコマの表情もかなり丁寧に描かれてる。かなり力強く描かれてるが繊細さの積み重ねだとふとしたところで感じる。
はー、大型版で読めたことが本当にうれしい！
この作品は「谷口ジロー展」で宙吊りになるページの原画を見て、気になって読み始めた。読み終えた今また原画を見たい〜
本当に一生忘れず心を満たし続けてくれるだろう作品に出会えてうれしい。