ガリレオの中指 の商品レビュー
政治的に正しいとされている、ポリティカル・コレクトなことをいうことが正義であるような世界に疑問を感じている人におすすめの一冊だ。 著者のアリス・ドレガーは科学史・医学史を専門とする歴史学者であり、インターセックスの権利の確立を求める活動家でもある。本書では、事実にもとづかない告発...
政治的に正しいとされている、ポリティカル・コレクトなことをいうことが正義であるような世界に疑問を感じている人におすすめの一冊だ。 著者のアリス・ドレガーは科学史・医学史を専門とする歴史学者であり、インターセックスの権利の確立を求める活動家でもある。本書では、事実にもとづかない告発に脅かされる研究者や、科学的証拠に基づかない医療の不利益を被る患者のために、守られるべきことについて考察している。ポリティカル・コレクトでない研究結果だとしても我々はそれに目を瞑ってはならない。あらゆる科学的主張の評価軸はただ一つ、それが真実である程度だ。このことを我々に教えてくれる素晴らしい一冊だ。 印象に残ったところメモ。 ・自分が正義の側にいて悪と戦っていると思っている時には、ふつうなら疲れて戦えなくなる限界を超えても、戦い続けられる。しかし、ボーも私も、悪と戦っているのではないのがわかるようになっていた。私たちが相手にしているのは、善意の、でも近視眼的なー長期的な視点から証拠を見れば見えるはずのものが見えていないー人たちだった。 ・正義を望むなら、真実を見つけ出さねばならない。そして真実を見つけ出そうとするなら、正義を願う以上のことをしなければならないのだ。 ・「あなたに対峙している人々は必ずしも悪い人たちではないし、あなたの行為が必ずしもよいとは限らない。」
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私のようなものに(おそらく出版社から)いただいてしまいました。ありがとうございますありがとうございます。思ってたより分厚い。訳は安心と信用の鈴木光太郎先生。えらい。 内容はいろいろ示唆に止む。DX療法の話は原書Kindleでもってたけど読んでなかった。個別の話がどれくらい信頼で...
私のようなものに(おそらく出版社から)いただいてしまいました。ありがとうございますありがとうございます。思ってたより分厚い。訳は安心と信用の鈴木光太郎先生。えらい。 内容はいろいろ示唆に止む。DX療法の話は原書Kindleでもってたけど読んでなかった。個別の話がどれくらい信頼できるものかはわからんし、ちょっとドレガー先生流に偏ってるかもしれないとは思うけど、やはり重要。よい時期に翻訳が出たと思う。
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