我、鉄路を拓かん の商品レビュー
明治時代版プロジェクトX ですね。 日本の鉄道敷設はイギリス人も驚く、独創的なものだったようです。明治維新時の日本人の知恵と行動力は現代以上のようです。 海の上に鉄道を走らせる、しかも国内初めての鉄道を、明治のパワーを感じる作品でした。
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明治時代、日本初の鉄道敷設に挑む人々のお話。見たこともない蒸気機関車を走らせる、しかも海の上に走らせる、現代でも結構大変そうな工事を、人力のみでやってのけるとは…スゴいなぁとしか言いようがない。できれば地図を載せていただければ、もっと実感をもって読めたように思うのですが…いやでも...
明治時代、日本初の鉄道敷設に挑む人々のお話。見たこともない蒸気機関車を走らせる、しかも海の上に走らせる、現代でも結構大変そうな工事を、人力のみでやってのけるとは…スゴいなぁとしか言いようがない。できれば地図を載せていただければ、もっと実感をもって読めたように思うのですが…いやでも面白かったです。☆3.5
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本で初めて鉄道を拓いた人たちの情熱と苦労の物語。 外国人技師エドモンドモレルさんの人柄と能力の助けなしでは完成しなかったこと、完成を見ずに亡くなったことなど、この小説ではサイドストーリーでしょうが一番心に残りました。
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===qte=== 開業150年、鉄道小説も快走 アンソロジーや敷設工事描く長編… 2022/12/5付日本経済新聞 夕刊 鉄道開業150周年の今年、「鉄道小説本」の刊行が相次いでいる。書き下ろし短編集や初の敷設工事に挑んだ人々を描いた長編など。列車が走るとき、人間ドラマもまた動...
===qte=== 開業150年、鉄道小説も快走 アンソロジーや敷設工事描く長編… 2022/12/5付日本経済新聞 夕刊 鉄道開業150周年の今年、「鉄道小説本」の刊行が相次いでいる。書き下ろし短編集や初の敷設工事に挑んだ人々を描いた長編など。列車が走るとき、人間ドラマもまた動き出す。 山手線沿線を歩く「鉄道小説」の著者の一人、温又柔=交通新聞社提供 山手線沿線を歩く「鉄道小説」の著者の一人、温又柔=交通新聞社提供 10月刊行のアンソロジー「鉄道小説」(交通新聞社)は、新橋―横浜間に日本初の鉄道が開業して150年になるのを記念し、いま注目の作家5人が「人と鉄道の記憶」をテーマに短編を書き下ろした。 野間文芸新人賞などを受賞している乗代雄介の「犬馬と鎌ケ谷大仏」は、新京成電鉄の駅前の町が舞台となる。フリーターを主人公に、町の歴史と個人の思い出が交錯する。芥川賞作家、滝口悠生の「反対方向行き」には、神奈川県の湘南地区と北関東を結ぶ湘南新宿ラインが登場。亡き祖父の家に向かうはずが、反対方向に乗ってしまった女性の車中の「旅」を描いた。 温又柔(ゆうじゅう)の作品では子供のころ台湾から来日した青年の家族をめぐる記憶に、山手線の緑色の車両が登場する。澤村伊智は阪急宝塚線の駅で撮られた写真をめぐる「怪談」を執筆。能町みね子の短編に出てくるトラムが走る街は、自由で活気に満ちている。 文芸分野に挑む 担当者の一人、交通新聞社の渡邉恵氏は「『JR時刻表』『旅の手帖』などを出している会社として、記念の年にはこれまで手がけていない文芸分野に挑みたいと考え『鉄道文芸プロジェクト』を部署横断的に始めた。『鉄道小説』の従来のイメージにとらわれず、バラエティーに富む作品を生み出したかった。担当者それぞれが思い入れのある作家さんに依頼しました」と話す。鉄道をテーマにした文学賞も公募、10月には大賞など受賞作3点が決まった。 2020年、東京都港区に開業した高輪ゲートウェイ駅の近くで、1872年の日本初の鉄道開業の際に造られた「高輪築堤」の遺構が見つかった。海の浅瀬に盛り土をして石垣で固め、その上に線路を敷いたものである。9月刊行の梶よう子「我、鉄路を拓かん」(PHP研究所)は、この難工事に取り組んだ人々を描く長編だ。 「海上を走る汽車を描いた浮世絵があるのは知っていたが、築堤の遺構が見つかるとは思ってもいなかった。しかも、当時の石垣も残っているという。大いに刺激を受け、調査結果がよくわからない段階から書き始めた。当時の日本人が鉄道という未知の存在を、どうイメージしたかを考えるのはなかなか大変でした」と梶は振り返る。 鉄道敷設を推進した大隈重信、伊藤博文らの政治家、「鉄道の父」と呼ばれた官僚の井上勝、お雇い外国人のエドモンド・モレルらが登場するが、主人公にはそれほど知名度の高くない土木請負業の平野屋弥市を据えた。 「弥市は(ペリー来航に伴う)幕末の品川台場などの建造も請け負った。そうした現場の視点から大プロジェクトを眺めたかった」と梶。その上で「変革の時代に技術を継承しようとした弥市のような存在は今こそ見直されるべきでは」と話す。 中央線沿線が舞台 鉄道を題材とするアンソロジーなどが相次ぎ刊行されている 鉄道を題材とするアンソロジーなどが相次ぎ刊行されている JR東京駅から高尾駅(東京都八王子市)まで走る中央線沿線には、明治期から井伏鱒二、太宰治ら多くの文士が住んでいた。その地域を舞台にした短編小説やエッセーを収めたアンソロジーが、3月に刊行された「中央線小説傑作選」(中公文庫)だ。 「井伏を中心に沿線の作家たちが集まった『阿佐ケ谷会』が象徴するように、鉄道路線と小説を結びつける作品集を考えた場合、やはり中央線だろうという結論になった」と編者でライター・編集者の南陀楼綾繁氏は語る。「阿佐ケ谷会」と題する井伏の短いエッセーは11編の一つとして収められている。 ほかにも五木寛之が中野のバーに集まる大学生グループを描く「こがね虫たちの夜」、杉並区天沼に長く住んだ上林暁の私小説「寒鮒」、主人公が三鷹駅から東京駅まで逃亡する様子が描かれる太宰「犯人」、娘との生活を描いたシュールな味わいの尾辻克彦「風の吹く部屋」など多彩な作品を収録する。 「中央線沿線は古い歴史を持ちながら、変化も受け入れて新しくなっている。そのあたりが面白く感じられるのではないか」と南陀楼氏はみる。多様な鉄道路線が存在するからこそ、作家が触発されて様々な小説が生まれるのだろう。 (文化担当部長 中野稔) ===unqte===
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見たこともない陸蒸気を走らせるために鉄道を敷く。さらに、長大な築堤を設けて海を走らせる。重機のない時代にだ。鉄道開業150年という節目を迎え、平野弥市なる影の功労者にスポットが当たる。新政府は産声をあげたばかりで、攘夷の名残もまだ根強い。小説とはいえ、何千もの人夫をまとめる苦労た...
見たこともない陸蒸気を走らせるために鉄道を敷く。さらに、長大な築堤を設けて海を走らせる。重機のない時代にだ。鉄道開業150年という節目を迎え、平野弥市なる影の功労者にスポットが当たる。新政府は産声をあげたばかりで、攘夷の名残もまだ根強い。小説とはいえ、何千もの人夫をまとめる苦労たるやいかばかりか。そして、用地買収における住民の説得、これを最大の難題として掲げてくれたことでリアリティが高まる。なによりもモレルさんの功績を知るに、是非とも日本の鉄道開業を見届けていただきたかった。呑み鉄おやじより感謝を込めて。
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