フェミニスト・シティ の商品レビュー

レスリー・カーン(著者),東辻賢治郎(訳者)

2024/08/06

街は女性のものではない。という考え方にびっくり。なるほどたしかに、路面店でお買い物するより、商業施設にいると安心するんだよなあ。
また、女性、たとえば白人女性の権利が守られるほどに、有色人種の方の権利が迫害されるなんて面も指摘していたり。
解決策は示さないけど、とにかくそういう見方があるんだなと学べる本。

2024/08/17

P.8
パブリックウーマン公共の女
が娼婦と同じ、という世界観がすごい。
実際の話だ。外を出歩く、イコール娼婦
聖女と娼婦しかいないという世界観が如実に現れている。

P.10
臭気共に信じられていた瘴気。
ギュスターヴモローのサロメ、オイディプスのように男を堕落させる女、女自身も誘惑に弱く破滅する、といった思い込みが強い。その方が男にとって管理しやすく、都合が良い。

P.11
白人女性の貞淑は、都市化のあかし。
有色人種女性は守るべき、ではなく脅威。
堕落への脅威。
今もそれは続いている。

P.143
都市とは、石に刻まれた家父長制
ジェインダーク

2023/09/26

確かにね、と思うことが文章となり書いてあった。たしかに、安全なショッピングモール、女性が好きなのはそうか落ち着くからか。
その他、気づかなかったことも発見があった。
最後まで読みきれなかった...

2023/01/26

この間、北国に住む友人に会って、市境で雪の除雪状況が全然違ったりするんだよ、と教えてもらった。都市のなかには「優先順位」がある。考え方によって、何を大事にするかはずいぶん変わってくる。どこの道を優先して除雪をするのか。駅まで行く通勤路なのか、通勤の前に子どもたちを送り届けるための保育園や小学校までの道なのか。そういう優先順位を決定する場に、たいてい子どもたちを送り届けている人たちの姿はないのだろう。だから、彼ら/彼女たちは苦労して雪をかき分けて子どもを送り届けてから、働きにいかねばならない。
彼ら/彼女たち、であればよいのだけれど、実情は「彼女たち」ばかりなのだろう。

2022/12/20

女性が都市の中でどう生き延びてきたか
いつも恐怖を感じている
危険があっても都市の中でしか生きられない
安全なまちをつくるなかで、排除されている人もいるということ

2022/12/12

女性が一人あるいは子供たちと街に出て行動して、ときには深夜に帰宅するまでの一連の安全安心を考えたときに、都市はじゅうぶんに受け入れるつくりになっているのか。女性で語られた主語は、だんだん、ジェンダーから、人種、障がい、高齢、などに広がり多様な人々を受け入れることと重なりがたぶんにあり、公共空間の意味するところを考えることになりました。