ステパンチコヴォ村とその住人たち の商品レビュー
ユーモア小説ではあるけど、そこまで笑えるというほどではなく、普通にこの状況やばいし怖くないか?と思う場面も多かった。 ただ、他のドストエフスキー作品に比べると、思想や宗教についてのことがほぼ書かれてないし、難しさもないので読みやすい。 自尊心を拗らせに拗らせたフォマーが本当に読...
ユーモア小説ではあるけど、そこまで笑えるというほどではなく、普通にこの状況やばいし怖くないか?と思う場面も多かった。 ただ、他のドストエフスキー作品に比べると、思想や宗教についてのことがほぼ書かれてないし、難しさもないので読みやすい。 自尊心を拗らせに拗らせたフォマーが本当に読んでてイライラした。 なんでも被害者面して「侮辱された!」とか言うのはすごく卑怯な攻撃の仕方だし、それに対して周りの人たちもそうだそうだ!ってなったり、謝ったりしてるのがこれまた余計にイライラさせる。 家のなかにあんな人がいたら心が休まらないだろうに、なんであそこまでフォマーにみんな執心してるのかわからなかった…。 他の登場人物もキャラが濃い人揃いだったけど、あまり出番はなかったりしたのでもっとその人たちについて読んでみたかったかも。 名前をやたら変えたがる召使のヴィドプリャーソフや、素直で天真爛漫そうなぽやっとした感じの美少年召使のファラレイについてはもっと色々書けそうではあったし、個人的にはもっと彼らについて読んでみたかったなぁと。 あのドタバタ感からあのエンディングにもっていくのはすごい力技というか、エッ!?とはなった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
フォマーのこじらせた自尊心が平和な一家を恐怖に陥れる筋書きは、かつてのドスト自分達と重ね合わせて苦い思いを含めつつ、それを風刺させる事で過去の精算をしたのだろうか。
Posted by
ドストエフスキーで読んだ事のない喜劇。 エンタメとしても面白かった。 一座の大御所たる将軍夫人、その威光を前にして人みなが怖れ畏む将軍夫人は、ひからびた意地悪婆さんで、喪服に身を包んでいた。とはいえ、鬼婆ぶりが増したのは、寄る年波に勝てず、もともと貧弱だったおつむが余すところな...
ドストエフスキーで読んだ事のない喜劇。 エンタメとしても面白かった。 一座の大御所たる将軍夫人、その威光を前にして人みなが怖れ畏む将軍夫人は、ひからびた意地悪婆さんで、喪服に身を包んでいた。とはいえ、鬼婆ぶりが増したのは、寄る年波に勝てず、もともと貧弱だったおつむが余すところなく枯渇したからにほかならなかった。
Posted by
村の領主の屋敷に男が、巧みな弁舌とアップダウンの激しい気性で周りを翻弄し支配してゆく。 ドストエフスキー作品お馴染みの息をもつかせぬ長広舌がこれでもかと味わえる。 読みやすく、面白い。
Posted by
- 1