楽園ノイズ(1) の商品レビュー
原作者の杉井光先生がコメントで述べている通り、各場面において真琴達はこのような表情をしていたのかと感嘆してしまうシーンばかり そういった表情を中心として、コミカライズでは原作で見えなかった部分が見えてくるものだったかな それは冒頭部分から顕著。原作では5巻になるまでどのような見...
原作者の杉井光先生がコメントで述べている通り、各場面において真琴達はこのような表情をしていたのかと感嘆してしまうシーンばかり そういった表情を中心として、コミカライズでは原作で見えなかった部分が見えてくるものだったかな それは冒頭部分から顕著。原作では5巻になるまでどのような見た目か判然としていなかった真琴の姉の登場に始まり、女装した真琴の姿、動画投稿によって変わりゆく真琴の日常など所狭しと描かれていくね 特に絵的な違いを最も感じたのは美沙緒の存在感かな 原作小説でも真琴に様々な音楽少女との出逢いを導いた彼女。他にもPCにかじり付いていた真琴の音楽を現実の世界に昇華させた存在でも有る だからその時点で真琴にとって世界を一変させるような存在である点は自明だったのだけど、こうして漫画の形で描かれた事で、もっと単純に年上で美人な女性と近距離で接する事で味わってしまった感覚も透けて見えるかのようだったよ ただ、本作のメインとなるのは美沙緒よりも音楽少女との触れ合い まず一人目として登場するのは凛子。初対面の印象が悪かっただけにすぐ罵詈雑言の対応、冷淡な視線とマイナススタート なのにテンポ良く進む真琴との漫才トークはつい笑ってしまうね 真琴を驚嘆させる程の技量を持ちながら、音楽系の学校ではなく普通の学校で燻って… そんな彼女に真琴が望むのはコンクールへの復帰ではなく、自分の聴きたい音楽を思う存分響かせて欲しいだけ その為にはただ「弾いてくれ」といってピアノを弾いてくれるわけがない。コンクールから離れてしまった凛子の内面に近づいて、その上で彼女が音を奏でたくなる場を用意する必要がある そうして差し出された凛子を倒す為の音表現が良いね 一切の雑音が排された音を聴いた凛子が雑音有る世界の音楽を美しいと理解し、その音の中に真琴の音を受け容れる 二人のセッション、その後の遣り取りは関係性の変化というよりも音世界の変化を感じられたな 6話にて登場する詩月の話が本格的に描かれるのは次巻からか あの見た目の女の子がドラムを叩いている時点でギャップが有ったけど、こうして絵になると花を活けるかのような雰囲気でドラムを叩く姿は強烈ですな……
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